「百の位が1、十の位が0の3ケタの数どうしのかけ算」がおみやげ算で計算できる理由とは?

おみやげ算で「百の位が1、十の位が0の3ケタの数どうしのかけ算」の計算ができる理由を説明するために、中学校で習う文字式の知識が必要です。では、さっそく説明していきます。

x、yをそれぞれ、0以上9以下の任意の整数とすると、百の位が1、十の位が0の3ケタの2数は、100+x100+yと表せます。

そして、百の位が1、十の位が0の3ケタの2数をかけると、(100+x)(100+y)です。これを展開すると、
(100+x)(100+y)=100^2+100x+100y+xy  ……①
となります。

一方、「百の位が1、十の位が0の3ケタの2数をかけた数」を、おみやげ算によって求めます。おみやげ算では、まず、右の数から左の数に、一の位の数のおみやげ(y)を渡します。それは、次のように表されます。

(100+x)(100+y) → (100+x+y)×100=100^2+100x+100y

この結果に、「左の数の一の位(x)」とおみやげ(y)をかけた数xyをたすと、次のようになります。

100^2+100x+100y → 100^2+100x+100y+xy ……②

①と②が同じ式になったので、おみやげ算によって、「百の位が1、十の位が0の3ケタの数どうしのかけ算」を計算できることが説明できました。
仕組みを理解したうえで計算することによって、より深い計算力を身につけることができます。

おみやげ算ができるようになれば、今回の「107×108」のような問題をそれぞれ10秒以内に暗算することも可能です。さまざまな計算法がありますが、おみやげ算を、そのひとつに加えてみるのはいかがでしょうか。まずは、11×11~19×19の暗算をマスターしましょう。小学生の計算力強化はもちろん、大人の脳トレとしても役立つ『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がおすすめです。