ムーブメントを起こして人の行動を変えていく
──来年度からの中期経営計画で「総合ブランドコミュニケーション企業へ進化」を宣言されています。具体的に、どのような姿を目指すのか教えてください。
SSUは「プロモーションのツールを提供するサプライヤー」ではなく、「クライアントを深く理解し、ブランド価値向上のために必要なものをすべて提供し、成果に貢献する会社」に変革したいと考えています。これまでのPR領域を越えて、ブランドコミュニケーション事業を展開するために、グループ全体を進化させるべく組織を再編し、XR事業にも参入します。私個人の知見やコネクションも全て投入し、社員一人一人のマーケティング力向上に本格的に取り組みます。
©サニーサイドエックス
──総合広告代理店に近づいていくようなイメージでしょうか。
「サービス領域の拡張」という点に着目すればそう見えるかもしれませんが、本質はむしろ逆で、自らの強みであるPRの力をより深めようとしています。広告代理店と決定的に違うのは、私たちが「PR発想」を軸にしていることだと思います。
──「PR発想」とはどのようなものでしょうか。
あらゆるアイデアを、「リレーションシップをいかに構築するか」という観点から発想するということです。例えば新商品の販促のお手伝いをする場合も、テレビCMや店頭キャンペーンありきでは考えません。過去にSSUが手掛けたプロジェクトでは、「世界一の朝食」をうたうオーストラリア発のオールデイダイニング「bills」のPRがその具体例といえます。そのプロジェクトでは、レストランの宣伝ではなく、「レストランで朝食を食べる」というカルチャーの発信に力を注ぎました。それが空前のパンケーキブームを巻き起こし、billsの認知もおのずと向上しました。商品そのものを直接アピールするだけでなく、ムーブメントを起こして人の行動を変える。そのためにあらゆる手段を組み合わせられるのがSSUの得意であり強みですし、これまでこうした実績を積み重ねて成長してきました。
もう一つ、SSUらしいユニークネスは「トレンドのキャッチ力」です。私がこれまで在籍していたどの会社より平均年齢が若く、新しいことへの感度が高い。消費の主役であるZ世代の社員も多いので、インフルエンサーマーケティングのような企画を形にするスピードには自信があります。