バラ色の未来を「イメージ」してばかりいる人たちは、成功を手にする前に簡単に挫折してしまい、イメージの中に逃げ込む可能性が高い。鼻高々だった学生の方が顔を青くしていた学生よりも成績が悪いのはなぜか、ビジネスや人間関係で自信満々だった人が意外に失敗することが多いのはなぜか、これらの研究を見ると理解できる。
願いをかなえたければ最初にそれを心の中でイメージしよう、という話は確かに正しい。イメージできなければトライすることはできず、トライできなければ決して成功できないからだ。
だが、目標を達成した姿をイメージするだけでは駄目だ。イメージを現実にするには、必ず満たしておくべき前提条件がある。それは、成功への道を探し出すこと。そして、その過程でどんな障害にぶつかるかを予想し、それを克服する方法を知らなくてはならない。
心から願い、夢をかなえる姿を生き生きとイメージしたら、それが現実になった、というわずかな成功例を、よく観察してみよう。彼らにはもうひとつ、他の人にないものがあることに気づく。
彼らは目標達成につながる、自分だけのルートを探し出しているのだ。このルートを探す作業を、「ルート探索(Pathway Seeking)」と言う。そして目標達成までに何をやり、障害物にぶつかったときにどう解決するかなど、成功までのプロセスを生き生きとイメージすることを「プロセスの視覚化(Process-oriented Visualization)」という。
人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化(Outcome-oriented Visualization)」よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。
成功へのルートを探し出せると信じる人たちには、次のような特徴がある。
まず、彼らは目標達成のための人並み外れた方法を探し出せると信じているために、そうでない人たちに比べて目標水準をより高く置く。そして、ある方法で失敗したら、次の方法を探せばよいと考えているため、失敗しても簡単にあきらめない。さらに、目標によってそれを達成する方法も異なると信じているために、さまざまな方法を探し出す。