目標を達成するには、ふたつの動機付けが必要だ。すなわち「スタート・モチベーション」と「持続モチベーション」だ。
スタート・モチベーションは、目標を達成した状態をイメージすること(ゴールの視覚化)によってつくられ、持続モチベーションは目標達成までのプロセスによってつくられる。したがって、目標達成へのルート(プロセスの視覚化)が見つからない限り、スタート・モチベーション(ゴールの視覚化)がいくら強くても、実践を持続させることはできない。そのため、目標を達成することができないのだ。
だから、決心を最後まで保って目標を達成するには、楽観的な態度だけでなく、悲観的な態度も併せ持つことが不可欠だ。なぜなら、願いさえすれば何でも手に入るという安易な考えよりも、成功に結びつくルートを探し出し、その過程でぶつかる問題を予想しながら、対策を立てることの方がより重要だからだ。
このように、実行力に優れた人たちは、楽観的な思考と悲観的な考えを同時に持つことができる。これを「両面的思考(Double Think)」という。デートの申し込み、禁煙、ダイエット、セールスなど、望むことが何であれ、それを手に入れたければ、両面的思考ができなくてはならない。
人生は「実験」の連続
あらゆる行動は実験と考えるべし
ところが、わたしは専門大学の経営学科しか出ておらず、年齢ももう35歳です。自己啓発の名講師の経歴を見ると、その多くはソウル大学などの名門大学や外国の経営大学院を出た人たちです。どうせかなわない夢なら、早くあきらめた方がいいでしょうか」(名講師になる夢を見る30代の販売員からの相談)
名講師の夢を持つ30代の販売員から、「自分の学歴では夢をかなえるのは難しそうだ」という内容のメールが送られてきた。そこで、わたしは次のような返事を出した。
「学歴のせいで、やりたいことができないとお考えなのですね。現代グループの創立者、鄭周永(チョンジュヨン)会長は小学校卒の学歴しかありませんでしたが、新しいプロジェクトを提案したときに、最高の学歴を持つ部下がさまざまな理由を述べて無謀な挑戦だと言って反対すると、こう言い返しました。『やってみたのか?』名講師になるためにいままで何を試みてきたのか、そしていま何を試みているのか、自分を振り返りながら自分にこう質問したらどうでしょうか。『やってみたのか?』と」