大地震が発生したとき、どのように行動すれば命を守ることができるのか。瞬時の判断が生き残るために重要となる。そこで、専門家の見解をもとに場所別の適切な行動をまとめたのでご覧いただきたい。(東京都知事政務担当特別秘書 宮地美陽子)

※本稿は、宮地美陽子『首都防衛』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

地震発生、ここにいたらどうする

 大地震に襲われたとき、どのように避難すればよいのか。どこに「いる」か、どこに「逃げる」のかは生死を分ける。

 地震で強い揺れが生じる時間は人が感じるより実際には短いものの、激しい震動が突然襲ってきたら収まるまでは、むやみに移動するとかえって危険な目に遭うこともある。職場や建物の中、外出先で遭遇したときにはどのようにすればよいのか。

 日本付近で発生する地震の強い揺れは、M7級で約10秒間、M8級は約1分間、M9級では約3分間継続するとされる。1995年の兵庫県南部地震は15秒程度、2011年の東北地方太平洋沖地震は長く続いたところで190秒間も揺れが続いた。

 神戸市消防局がまとめた『阪神・淡路大震災の消防活動記録』は、大きな揺れの中で人々がどのような行動をとっていたのかを知ることができる。約2割は「自分の身を守るのに精いっぱい」で、「布団をかぶった」は3割近く、約4割の人は「何もできなかった」と答えている(複数回答によるアンケート)。

 いきなり巨大地震が襲来すれば、思い通りに動くことができないのがわかるだろう。逆に言えば、何をどのようにすればよいかという瞬時の判断が生き残るために重要となることを意味する。

 大地震の発生時、こんなところにいたらどうすればよいのか。専門家の見解をもとにポイントをまとめたのでご覧いただきたい。