【精神科疾患】サウナ効果でマインドフルネス状態に
サウナに入る人は、精神科疾患になりづらいという報告もあります。これは、デフォルトモード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる、ぼんやりと雑念にふけったり、自己反省したりしているときに活動する脳の領域と関係があります。
このDMNは、脳のエネルギーを大量に消費します。そのため、DMNが過剰に活動すると、物事をクヨクヨ考えることにエネルギーを費やされてしまい、いざ活動しようと思ったときにエネルギーが枯渇します。
そうすると、実際に体が動かなくなったり、うつ病になってやる気がなくなったりしてしまいます。DMNは「疲労感」や「うつ状態」と相関関係にあるんです。
それに対して、何かに集中するときに作動する、セントラルエグゼクティブ・ネットワーク(CEN)という脳領域は、エネルギー効率が非常にいい。時間を忘れて何かに没頭するという経験は誰しもあると思いますが、それはCENが活動していて、脳が疲れにくいからなんです。
もしDMNが活動している状態で何か作業をしようとしても、すぐに脳が疲れてしまうので長続きしません。なので、いかにDMNの活動を抑えられるかが、脳疲労、ひいては精神疾患を予防するうえで大事になります。
そこで役立つのが、サウナです。サウナ室は外部から情報が遮断されているので、ほかのことに意識が向きづらい。さらに、温度が高いことで皮膚表面に血液が集中し、脳血流が下がります。そうすると、思考そのものがしづらくなります。
通常の生活の中で、DMNを抑制する「マインドフルネス状態」に入るには、ある程度テクニックが必要とされていますが、サウナであれば「ただ入るだけ」でマインドフルネス状態になれるんです。
サウナの健康効果はきちんと実証されていますので、ぜひ生活の一部に取り入れてみてください。僕自身、365日サウナに入っているおかげか、毎日楽しく健康に過ごせています。
サウナを通じて、皆さんが健康になったら、僕にとってそれ以上の幸せはありません。
(本稿は、ダイヤモンド社「The Salon」主催『究極にととのう サウナ大全』刊行記念セミナーのダイジェスト記事です。「The Salon」の公式X(旧Twitter)はこちら)