サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで! それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に!日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。

深部体温はそれぞれどう変化する?(「医者が教える究極にととのうサウナ大全」より)深部体温はそれぞれどう変化する?(「医者が教える究極にととのうサウナ大全」より)

お風呂や岩盤浴でもHSP(ヒートショックプロテイン)は出る?

 前回の記事で、組織を修復する働きがあるHSPが発現するのは深部体温が38度を超えた時であること、また、ドライサウナよりもウェットサウナのほうが深部体温が温まりやすいので38度を短時間で超えHSPが出やすいので健康効果が高いということをお話しました。

 ちなみに、「お風呂や岩盤浴でも体は温まるから、サウナじゃなくてもいいのでは?」と思った方のために補足します。
サウナ、お風呂、岩盤浴の深部体温の変化を比べてみましょう。

【ドライサウナ(91℃、相対湿度5~18%)】
1セット(15分)ごとに0.4℃ほど上昇。

【ウェットサウナ(60℃、相対湿度60%)】
1セットごとに0.6℃上昇。(1セット〈15分〉ごとに0.8℃上昇し、その後、水風呂に入ると〈22℃、2分間〉0.2℃下がる)

【岩盤浴(36~38℃)】
10分かけて深部体温が0.3℃上昇。

【お風呂(40℃全身浴)】
15分かけて0.9℃、20分かけて1.4℃上昇(*4)。ちなみに温泉(40℃)は、10分で1.0℃上昇します(*5)。

 したがって、平熱が36.8℃の場合、HSPがたくさん出る38℃以上を目指すためには、お風呂では20分程度全身浴をし続ける必要があります。

【結論】フィンランド式サウナに2~3セット入るのが最強

 以上のことから、すみやかに深部体温を38℃以上に上げ、HSPをたくさん出現させて体内メンテナンスをするためには、ウェットサウナに2~3セット入るのがベストです。

 ウェットサウナにもいろいろありますが、特に、フィンランド式がおすすめ。というのは、さきほどの研究ではウェットサウナの室温が60℃に設定されていますが、ミストサウナや塩サウナだと、施設によっては60℃に達しない場合があるからです。その点、フィンランド式は80~90℃のところが多いので条件を確実にクリアできます。

*4 全身浴と部分浴における生理心理反応と加齢の影響, 人間-生活環境系シンポジウム報告集, 2014
*5 壮年期健常女性における岩盤浴と温泉浴が脈波伝播速度に及ぼす影響, 日本衛生学会誌, 2014

*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。