現場で汗して働かずして、遠隔でコントロールできる、そういった点では確かに不動産投資は場所を選ばず、たとえ遠隔地(海外など)にいても経営することはできます。
そうした仕組みを整えられることが、不動産投資における最大のメリットではありますが、それは決して「リタイアして悠々自適」ではないのです。
成功している投資家とは、その仕組みをしっかりとつくり上げ、円滑に経営できている投資家です。
あなたも成功したいのであれば、リタイアを目指すのではなくて、有能な経営者を目指しましょう。そして、決して有名投資家の一側面だけを見て判断することはせずに、不動産投資というビジネスをよく理解した上で、何が最適な投資方法なのかを考えましょう。
当たり前のことですが、仲介業を行って手数料という利益を得る不動産業者は商売として行っています。一方、有名投資家は、直接の利害関係がなく「公平なスタンスだから信頼できる」と思われるかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。コンサルティングを行う不動産投資家のなかには、ただアドバイスを行うだけの人もいれば、コンサルタント業として投資相談を受けながら、物件や不動産業者を紹介して、不動産業者や建築会社に紹介料をもらっている人もいます。
大村昌慶 著
そうなると、やっていることは不動産業者と同じです。それでいて、宅建業者のように守るべき法律もなく、その責任を負う義務もないのです。
ただ、これは別に悪いことだとは思いません。本来ならば自分で物件を探す労力と判断力、最低限必要とされる知識を得る努力を一切せずに、丸投げしているのですから当然の手間賃だとも思います。
問題は、そういった責任のない人間に対して、数千万、数億円規模の投資を丸投げしていることを自覚していない投資家です。
不動産投資はすべてがすべてうまくいくとは限りません。後から「騙された!」と騒いでも後の祭り。あくまでも有名投資家に下駄を預けると決めた本人の責任です。だからこそ、投資家自身がきちんとした知識を身につけることが必要不可欠なのです。