10月7日、ハマスが突然イスラエルに向かって大規模な攻撃を始めました。3000発のミサイルをイスラエルに撃ち込んだことに加え、監視所を襲撃しブルドーザーで扉を破壊してハマスの兵士たちがイスラエルに侵入します。エンジン付きのパラグライダーで壁を越える兵士や、海上からジェットスキーで侵入する兵士もいたそうです。加えて、ドローンによる無人攻撃も加わります。

 個別のテロ攻撃であればイスラエル軍の鉄壁の迎撃態勢で抑えこめたのでしょうけれども、これだけの規模の攻撃をイスラエル側は想定していなかったといいます。イスラエルが誇るアイアンドームと命名された鉄壁のミサイル防御網も、3000発の攻撃では一定数のミサイルは撃ち漏らしてしまいます。加えてこの日はユダヤ教の安息日だったため、イスラエルは虚をつかれた形になりました。

 各メディアによるとイスラエル側で1200人以上が死亡し(12日14時現在)、市民や外国人など民間人を含め150人の人質がガザ地区に連行されています。イスラエル政府は烈火のように怒り、報復に転じました。反撃として大規模な空爆が行われ、ハマスの関係施設がある複数のビルを粉々に破壊。分離壁の周囲を10万人のイスラエル軍が包囲し、双方の死者数は2300人を超える事態に陥りました。イスラエル政府は、これは軍事行動ではなく戦争だと宣言しています。

 私は2020年に『日本経済予言の書』を出版した当時のYouTube動画で、「本に書けなかった重要要素はないのか?」と質問され、「日本が戦争に巻き込まれることです」と答えています。

 その2年後に起きたロシアによるウクライナ侵攻は、世界経済に大きな混乱をもたらします。経済の観点では間接的に日本も巻き込まれたといえるのですが、別に予言が当たったわけではありません。

 それで今回のハマスとイスラエルの戦争ですが、ある最悪のケースにおいてはウクライナ侵攻以上に日本経済がイスラエルの戦争に巻き込まれる可能性があります。

 起きてほしくないですし、起きる確率も高くはないことを願いたいのですが、今回の戦争はウクライナ侵攻以上に日本にとって重大な事件だという話をさせていただきます。