近くが見えづらい状態で読もうとすると、顔が緊張して眉間にシワが寄ってしまいがち。こうした日々を過ごすうちにシワが定着し、一層老けて見えるようになっていくのだ。変に意地を張るのは逆効果なので、潔く年齢を認めて老眼鏡を手に取ろう。

足腰がたくましくて若々しい人は、
階段の上りではなく下りで鍛えている

 普段からエスカレーターやエレベーターはなるべく使わないで、階段を歩くことを心がける健康法がある。ただ、階段の上りはいい運動になるが、下りは足腰にたいした負荷がかからないようにも思える。そこで、下りだけはエスカレーターなどを使う人も少なくないだろう。しかし、それでは効果が薄い。若々しい足腰の人は、逆に下りの階段をよく使っている。

 40代50代の人にとって、じつは階段を上るよりも、下るほうが重要な運動になる。筋肉のふたつのタイプ、「速筋」「遅筋」の違いから説明してみよう。

 速筋とは、瞬発的な力を必要とするときに活躍する筋肉。短距離走や筋トレなどのほか、階段の下りで急に止まる際にも使われる。これに対して、持続的な動きを得意とするのが遅筋。長い距離を歩いたり走ったり、坂道や階段を上ったりするときに必要となる筋肉だ。

 速筋と遅筋は衰え方も異なっている。人間の筋肉の量は30代半ばあたりで最も多くなり、それ以降は徐々に少なくなっていく。なかでも、年齢を重ねるとともに衰えやすいのが速筋だ。ただし、減っていくばかりではなく、トレーニングを行うことによって、筋肉量を増やしやすいという側面もある。

 高齢者がふらつくようになったり、転びやすくなったりするのは、速筋が体を支えられなくなるからだ。階段で転落してけがをする事故の9割は、下りのときに発生しているというデータもある。

 一方、遅筋は速筋とは違って、年齢を重ねても筋肉の量はそれほど減っていかず、トレーニングに励んでも、なかなか筋肉量を増やすことができないという特徴を持っている。

 以上の理由から、体の衰えを感じる年代の人が鍛えて、筋肉量を増やしたいのは速筋。階段を使うなら下りというわけだ。老けない足腰を手に入れるため、4、5階程度なら、エスカレーターやエレベーターは極力使わないようにしよう。

口にすればするほど、本当に老けていく
「もう歳だから…」は絶対に言わない

「もう歳だから」が口癖になっている人がいる。確かに40代後半あたりから、運動をすればすぐに息切れし、何かとやる気や根気がなくなっていく。その意味では、「もう歳だから」という言葉自体は間違っていないのかもしれない。しかし、いつまでも若々しくありたいのなら、決して口にしてはいけない言葉だ。

 なぜ、自分が歳を取ったということを口にしてはいけないのか。これは「プライミング効果」という現象で説明できる。先に受けた何らかの刺激によって、その後の行動や判断が影響される心理効果を指す。

 たとえば、ドラマでショートケーキを食べるシーンを見ると、何となくスイーツがほしくなる。あるいはカレー店の前を歩いたときにスパイスの良い香りが漂ってくると、夕飯にカレーを食べたいと心を動かされる。

 こうしたプライミング効果を扱ったニューヨーク大学の興味深い研究を紹介しよう。学生に5つの言葉を使って短い文章を作るように指示したものだ。その実験のなかで、ひとつのグループだけには「シワ」「白髪」「髪が薄い」「忘れっぽい」といった高齢者をイメージさせる言葉を混ぜておいた。

 そして各グループが文章を作成したのち、別の部屋に移動してもらった。そのときの移動速度を測定したところ、高齢者を連想させる言葉を使ったグループのみ、歩く速度が遅くなったのだ。これは高齢者の言葉のイメージに引きずられて、行動がゆっくりしたものになったのだと説明されている。

 この研究結果から、「もう歳だから」を口癖にしていると、たとえそれが本心ではなかったとしても、無意識のうちに高齢者っぽい行動を取るようになる可能性がある。老けないためには、絶対に使ってはいけないNGワードだったのだ。

「もう歳だから」のほかにも、「若くない」「老けたから」「疲れた」「しんどい」「もう嫌だ」といった言葉も禁句にしよう。口にすれば、その言葉のイメージに行動が引っ張られて、どんどん老けていってしまうかもしれない。