そこで、1日の流れの中でメール仕事に取り組む時間を決めて、流されないようにするというのも、よい考えです。緊急用件がないか件名だけはときどきチェックして、開封するのは、決めた時間だけにする、つまりメール仕事を固めてするのです。

 メール仕事を固めてすれば、作業の錯綜を回避して返信忘れを防ぐことができます。新着メールを開封したら、その対応に集中します。やむなく間にほかの仕事を入れるときは、そのメールが未対応であることがわかるように目印をつけます。

 たとえば、次のような方法でうっかりを防止することができます。

保留にするときの返信忘れ防止対策保留にするときの返信忘れ防止対策 拡大画像表示

 メール作業を固めて行うことは、返信忘れを防ぐだけでなく、作業効率を高めるためにも有効です。

 ただし、すべてのメールの処理を決まった時間に完了させるというのは、たぶん難しいでしょう。なぜなら、調べないと答えられないもの、上司など関係者と相談しないと判断できないもの、添付された長大な資料等を読まないと返事できないものなど、作業時間を要するメールも少なくないからです。

 そこで、メールの開封にあたっては、次のような視点から分類、つまり仕分けをして対応することをお勧めします。内容に応じて緩急をつけた対応をすることは、マナーの点からも重要です。

メールのタイプによって分けて対応することも有効メールのタイプによって分けて対応することも有効 拡大画像表示

(5)の場合は、折り返しの返信で、すぐには返事ができないので少し待ってほしいことを伝えておきます。

 たとえば、次のような言い回しを覚えておくと便利でしょう。

「ご意見ありがとうございました。販売にも伝えて検討したいと思います。今週末までお時間をいただければ助かります。」
「企画書をおまとめくださり、誠にありがとうございます。来週木曜日に企画会議がありますので、結論が出ましたら、改めてご連絡申し上げます。」

 できれば、回答できる時期も入れたいところですが、入れられない場合は、次の例のように、それなりに婉曲な表現で書くことが必要です。

「報告書をお送りいただき、ありがとうございました。拝読し、またご連絡差し上げます。」

「拝読」は敬意を払う相手が書いたものなどを読む場合の謙譲語ですが、自分が書いたものを「拝読してください」などと書いている誤用が見られるので注意してください。