6つの分岐のうちの前半「1~3」
ネットスーパー事業の可能性を探る

 では、その分岐を紹介していきます。

「1.仏スーパーはネットスーパー事業に参入すべきか?すべきでないか?」

●フランス、特に、都市部の家庭の、朝・昼・晩ご飯の買い物はどのように行われているのか?

●そもそも、フランスでは、どのくらいのエリアにどのくらいのスーパーが存在しているのか?そのうえで、買い物における「不」=不満、不便、不都合は発生しているのか?

●ネットスーパーを近くの拠点からの配送を前提とした場合、このスーパーの利用客の年齢層はどのようになっているのか?

●ネットスーパーは最終的には全年代での利用を目論むが、ファーストユーザーはネットに強く、かつ、スーパーに行けない=独身ビジネスパーソンであるため、その層はどのくらいいるのか?

●また、このスーパーでの売れ行きは、ネットショップに適している商品が中心なのか?それとも、不得意な商品が中心なのか?

●この会社のネットスーパーの敵となりえる、他のネットスーパーや、少し異なるがアマゾン/アマゾンフレッシュの利用率はどのくらいなのか?

●「ネット」で食品を買う文化は現時点でどこまで根付いているのか?

●ネットスーパーに欠かせないインフラ基盤=配送拠点、配送業者などは自社で賄えるのか、もしくは、日本でいう佐川急便のような連携できるパートナーは存在するのか?

 この感じで、分岐をあげて、その分岐を見極めるために知りたいことを書く、というサイクルを繰り返すことが大事なのです。

 この「分岐」や「そのために知りたいこと」を浮かべるコツは、今回ならこの社長は、「どんな顔して、どんな悩みを持ち、どっちに行けばいいんだよ!」と叫んでそうか?をリアルに具体的に感情移入することです。

「2.リアル店舗のスーパーと新しく作るネットスーパーの位置づけは?リアル店舗⇔ネットスーパーの関係は、主従関係or独立関係か?」

 事業戦略を考えるときに、リアル店舗としてのスーパーでは取り切れない層を取ります!的な、「主」であるリアル店舗スーパーを、補完・補助するための「従」としてのネットスーパーなのか。

 それとも、今後の社会の変化の中で、ネットスーパー単体で価値を出し、利益を出すことを前提に考えていくか?の2つの分岐がありますね。