ゾン100の主人公ではありませんが、仕事など毎日同じことを繰り返して過ごしていると、視野が狭くなってしまって考える余裕がなくなり、自分が本当にやりたいことに気づけなくなりがちです。そんなときには新しいことにチャレンジしてみるのもよいでしょう。私は近年ようやくビデオゲームをやるようになりましたが、何でもよいのです。新しいことを始めると、新しい目線が生まれ、自分がやりたかったことも少しずつ見えてくるようになるはずです。
大事なのは、今さら恥ずかしいなどと思わないこと。年齢を重ねると「もうこの歳だからできない」と思いがちですが、そうした考えをまずやめてみましょう。何かを始めるのに、何歳からでも遅すぎるということはありません。
究極の「やりたいこと」を実現
するために優先順位を意識する
リストを作ろうとしても、ほとんどの人がやりたいことを100も挙げられないでしょう。私もそうですし、ゾン100の主人公も最初は10個ぐらいしかやりたいことを書いていませんでした。しかし、リストは後からどんどん追加していけばよく、むしろリストをクリアしていく過程でやりたいことが次々と出てくるはずです。最初はやりたいことが少なくても、リストに挙げてやり始めてみるといいと思います。「何かを達成すると、見える景色が変わる」とよくいわれます。始めてみれば、後からさらにやりたいことが湧き上がってくるものです。
私の場合はランニングがそうで、最初に10キロの大会に出てみたら、すごく達成感があったのです。これならハーフマラソンはいけると思って出場してみたら軽く完走でき、フルマラソンはどうかと参加したらこちらも完走できました。それからはタイムを縮めることにチャレンジしています。また、似た運動だと自転車もやり始めましたし、プールへ泳ぎに行くようにもなりました。私自身はやりませんが、ウルトラマラソンやトライアスロンに手を伸ばす人もいます。
ゾン100では、やりたいことリストを消化していくのに順序や優先順位は特に決まっていませんでした。ただ、現実では「体力作りができると、走る距離が伸びる」というように、何かができると次のことができるようになるという順番があるものもあります。また「何歳の記念にどこそこへ行く」など、その瞬間でなければできないこともあります。そういうものは多少意識をして順番を決めるとよいでしょう。
私は講演でキャリアについて話す機会があるのですが、若い人たちに「及川さんが次にチャレンジしたいことは何ですか」と質問されることがあります。あまり年寄り臭いことは言いたくないのですが、私ぐらいの年になると、仕事でやりたいことをいろいろと実現するには、80歳になっても足腰が立つようにしっかり体を鍛えておかなければならないという事実が突きつけられます。