日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行される。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「今、完全に私の間合いですよ。大丈夫ですか?」
“You’re completely within my range. Are you sure you want to do that?”

 かつて我が国では「男子家を出ずれば七人の敵あり」といわれ、男性が社会に出るときの厳しい戒めがありました。もっとひどいと「人を見たら泥棒と思え」なるものまであり、日本人の猜疑心(さいぎしん)旺盛ぶりには驚くものがあります。
 平和教育の浸透で現在ではほとんど死語となっておりますが、油断は大敵。時折、思い出したように例文のような言葉を投げかけ、眠れる大和魂に活を入れてあげましょう。

嫌な客を突き返す、その他のフレーズ

「こちらに、御社名とお名前、連帯保証人のお名前をご記入ください」
“Please fill in your name, current employer, and co-signer here.”

 聞いて何をする気でしょうか。

「ただいま、社内序列最下位のものを連れてまいりますのでお待ちください」
“Could you please wait here while I bring the employee lowest in our corporate hierarchy?”

 企業における一般的な社内序列は、上から会長、社長、専務、常務、部長、次長、課長、係長、主任、一般社員に分けられます。ところが、一歩外に出ると、大企業の一般社員が中小企業の社長をアゴで使っていたり社長がトイレ掃除をしていたりするため、一概に序列最下位といっても侮れません。

「お約束のない方は私を倒してからお入りください」
“If you don’t have an appointment, you’ll have to defeat me first to enter.”

 一度は言ってみたい漫画・アニメセリフランキングの上位に必ず顔を出す「どうしても行きたいのなら、私を倒してから行け」。言ったところで倒されるか、暴行罪で捕まるだけなので損しかありませんが、なぜか人気です。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)