日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「月曜日にピークを合わせられなかったので、本日は休みます」
“I’m not in peak condition for Monday, so I’m going to take the day off.”

「ピークを合わせられなかった」や「自分の相撲が取れなかった」など、インタビューでよく耳にするアスリート特有の言い回し。我が国が「表現の自由」を保障している以上、我々一般人が使用できない理由はありません。ピークを合わせられずプレゼンの資料を家に置き忘れても、自分の発注ができず会社に10億円の損失を被らせても、2年目のジンクスでお茶を客にぶちまけてしまっても何も問題ありません。

出社を諦めさせる魔法のフレーズ

「経験不足を才能で補えなかったので、1週間休みます」
“I couldn’t compensate for my lack of experience with talent, so I’m taking the week off.”

「才気あふれる新人が、経験不足を才能で補う」という漫画やアニメの黄金パターン。アムロ・レイも碇シンジも「これ」ですが、実際は例文のように「これ」じゃない人がほとんどです。

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「呂布に裏切られたので、明日休みます」
“I’m going to take a day off tomorrow because Lu Bu betrayed me.”

 天下無双の剛腕。だけど忠誠心がすずめの涙ほどもない、三国志の登場人物の中でも一際キャラ立ちしている呂布。丁原、董卓、劉備と裏切りにあった彼らは命を落としたり国を追われたりと大変な目に。一度裏切られたら会社どころではありません。

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「先祖から『火曜日は働くな』と言われているので今日は休みます」
“My ancestors told me not to work on Tuesdays, so I’m taking the day off today.”

 先祖が残した家訓として、日本で一番有名なものが安倍さんの「新三本の矢」……失礼。毛利元就の「三本の矢」です。元就亡き後、彼の子孫たちはこれをよく守り、中国地方の覇者として君臨し続けました。先達にならい、火曜日は堂々と働かずに過ごしましょう。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)