日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。
「というサービスが思い浮かんだところで、目が覚めました」。私は、プレゼンの最後を夢オチで締めくくった。
“Just as I came up with that service, I woke up from the dream.” I wrapped up my presentation with a punchline about it all being a dream.
漫画の神様、手塚治虫先生も嫌ったといわれる「夢オチ」。作者と読者の心が全く交錯しない「禁じ手」として有名です。舞台設定や話の流れを根底から覆す、作者にとってはある意味非常に楽な終わらせ方ですが、物語の世界に引き込まれていた読み手には青天のへきれき以外の何物でもありません。少年漫画で多用すると、子どもが大人を見下すようになりますので、ほどほどにお願いしたいものです。
プレゼンスが上がらないプレゼンのフレーズ
「部長、それ売上グラフじゃなくて、心電図です」
「おっと」
“Boss, this isn’t the sales chart. It’s an electrocardiogram.”
“Oops!”
「ランディングページの効果で、7月の売上がこのように増加し……」
「部長、そこはただの不整脈です!」
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「喜べ。今から君は、伝説の失敗の目撃者となる」
“Rejoice. You’re about to be a witness to a legendary failure.”
皆さんはレジェンドと聞いて誰を思い出しますか? 長嶋茂雄、マイケル・ジョーダン、キングカズ、スティーブ・ジョブズ、錦野旦など、各界で顕著な業績を上げ、影響力を持ち、多くの人々に尊敬される人物は様々です。ちなみに、発明王でおなじみのエジソンは「失敗の天才」とよばれていました。無論、例文とは無関係です。
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「オーディエンスと一体化できず、申し訳ありませんでした」
“I’m sorry for not being able to become one with the audience.”
プレゼンといえども、ライブパフォーマンスであることに変わりはありません。次回はもっとグルーブ感を醸し出して、クライエンスを魅了しましょう。
(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)