服に穴が空いたら縫って着る祖母
なぜ捨てないの?

 イタリア人は普段の生活でも、環境に気を遣った生活を送っている人が多い印象を受けます。

 まず、基本的に物持ちがいいということです。筆者の子どもが産まれたとき、イタリア人である義母は、夫が小さいときに使用していた服やニット帽、ブランケット、さらにベビーカーまで持ってきてくれました。

 そして、夫の従兄弟は今年19歳になりますが、彼が当時使用していたベビーチェアやおもちゃなどを譲ってくれることもありました。

 衣類に穴が開いたら、縫ってまた使用します。滅多なことがない限り、義母に「捨てる」という選択肢はありません。そんな彼女に、「なぜ捨てないのか」と一度質問したことがあります。

「まだまだ使える」ということは大前提としてありますが、「世界では、流行が去ったというだけで大量の衣類が捨てられている。チリのアタカマ砂漠に山のように衣服が捨てられているのをテレビで見た。だからまだ着られる服は捨てない」と返事が返ってきました。

 世界で起こっている環境問題を自分ごととして捉えているのです。