お金持ちの家に生まれ育ち、大学を卒業して間もなく結婚。3人の子どもを授かるも離婚した。実家に出戻ったものの、父親の会社が倒産し、49歳で住む家を失ったついには預金通帳の残高がほぼ0円に……それまでとはうって変わって赤貧生活に陥り、裸一貫で整体院で働くようになった。自分の力で人生を切り拓いてきたとき、今度は末期寸前のがんを患うことに。そんな波乱の人生を乗り越えて「今がいちばん幸せ!」と断言する『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)の著者が、毎朝起きるの楽しくなるライフスタイルを【人間関係】【食事】【睡眠】【健康】【メンタル】【ファッション】【インテリア】【パソコン】とテーマごとに紹介する。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

つねに変わりたい妻、現状維持で満足の夫写真:川瀬典子

順風満帆な結婚生活
におとずれた違和感

そんなふうに何不自由なく過ごして、子どもたちもすくすくと育ち、順風満帆な結婚生活が続いていきました。

ところがそんな中で、私は結婚相手との関係に少しずつ違和感を覚えるようになったのです。それは相手も同じだったのではないかと思います。

結婚生活の中で私は、自分には衣食住すべてに「自分はこうしたい」というこだわりがあり、それを実行しないではいられない行動力の持ち主だということに気づき始めていました。

つねに変わりたい妻と
現状維持で満足の夫

ひと言でいえば、常に何かを変えたい、変えていきたい、自分が変わり続けていたいという願望を持っているのです。それは今でも変わりません。

それに対して夫は、「これでいいじゃない」が口癖でした。

私のすることに対して「なぜわざわざそんなことをするの?」と疑問に思い、納得ができないようなのです。

自分で家具をアレンジする妻

たとえば、こんなことがありました。当時、私たちが住んでいたマンションのリビングには、比較的大きな扉つきの収納棚がありました。

その扉の裏側がむき出しのシナベニヤ合板で、私はそれがイヤでイヤでたまらず、ある日、ホームセンターでペンキと刷毛を買ってきて、ペールグリーンに塗ってしまいました。

結婚相手には、その私の行動がまったく理解できなかったようなのです。

夫と一緒では
自分らしく生きられない

なぜそのままではいけないのか、どうしてわざわざ塗る必要があるのか……さらに言えば、こんな気持ちもあったのではないかと思います。

「男の僕だってしないような、そんな手を汚すようなことを、なぜ女の君がしなくちゃならないのか」。

もちろん、これだけが原因ではありません。これと似たような無数の性格の違いが積み重なって、いつしか私は「ここにいては自分らしく伸び伸びと生きることができない」と感じるようになっていきました。

※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。