成績を上げるためにできること~日頃の自分の「癖」を知ろう
メタ認知的モニタリングを常に機能させる心の習慣が身につけば、日頃の自分の勉強の仕方の癖に気づくことができる。
たとえば、担任の先生はお気に入りの子たちにはよく声をかけているのに、自分にはあまり声をかけてくれないことから、「私は先生から嫌われている」とか「先生はあの子たちをひいきしている」というように思っているとする。そうなると、「どうせ嫌われてるんだし」ということでモチベーションは上がらず、当然のことながら成績は悪化しがちである。
でも、きちんとメタ認知的モニタリングができていれば、「私は先生の前では緊張しすぎて、張り詰めた雰囲気になるから、先生も声をかけにくいのかも」「あの子たちは、自分から先生に気安く話しかけるし、いつも笑顔で話すけど、私は先生と話すときはいつも緊張して真顔になっちゃうし、あの子たちみたいに先生に冗談を言うこともないから、きっと先生も取っつきにくいんだ」と考えることができる。そうすると、自分が嫌われているわけではないと思うことができるため、後ろ向きの気持ちにならずにすむし、勉強に対するモチベーションも低下させないですむ。
試験の成績が悪かったときも、「頭が悪いのかな」「僕は勉強に向いてないのかも」などと思えば、モチベーションは下がり、「どうせ勉強しても無駄だ」と開き直ってしまうため、成績の向上は期待できない。
でも、メタ認知的モニタリングができれば、たとえば宿題のやり方について、「成績の良い〇〇ちゃんは、遊んで帰っても、いつもきちんと宿題をやってくるけど、僕は遊んで帰ると疲れちゃって、まあいいかって思って、いつも宿題をやらずに寝てしまうからダメなんだ」「宿題やらなくちゃって思っても、ついテレビを見たり、ゲームをしたりしているうちに遅い時間になって、宿題を適当に片づけることになってしまってるなあ」などといった気づきが得られ、投げやりにならずにすむ。そして、宿題をする時間をどう確保するかを考えるなどの対処行動を取ることもできる。
授業中の取り組み姿勢についても、「授業中、いつも隣の子としゃべってて、先生の話を聞いてないからいけないんだ」「授業中はおしゃべりしないようにしているけど、つい空想に耽ってうわの空になっちゃうから、授業の内容がわからなくなっちゃってる」などといった気づきが得られ、授業中の態度を改める方向に歩み出すことができる。
成績の良い子の頭の中では、このようなメタ認知が自然に機能しているものである。自分はできていないなと思えば、メタ認知的モニタリングを意識するようにしたい。