1. スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
2. スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
3. オープンイノベーションの推進
では、それぞれの柱で具体的にどのような取り組みを実行していく予定なのか。
「スタートアップ育成5カ年計画」の具体的な取り組み
米国や欧州と比べると、日本の開業率は低い水準で推移している。「起業」を望ましい職業選択と考える人の割合は、中国は79%、米国は68%であるのに対し、日本は25%となっており、これは先進国・主要国の中で最も低い水準にある。
その課題を解決すべく、主に12の取り組みを実行していくという。
1. メンターによる支援事業の拡大・横展開
2. 海外における起業家育成の拠点の創設(出島事業)
3. 米国大学の日本向け起業家育成プログラムの創設などを含む、アントレプレナー教育の強化
4. 1大学1イグジット運動
5. 大学・小中高生でのスタートアップ創出に向けた支援
6. 高等専門学校における起業家教育の強化
7. グローバルスタートアップキャンパス構想
8. スタートアップ・大学における知的財産戦略
9. 研究分野の担い手の拡大
10. 海外起業家・投資家の誘致拡大
11. 再チャレンジを支援する環境の整備
12. 国内の起業家コミュニティの形成促進
米国ではスタートアップの成長ステージに応じて、多様な資金調達手段が充実しており、プライベートエクイティファンドやベンチャーキャピタル、コーポレートベンチャーキャピタルからの調達に加え、IPO・公募増資がある。また、2020年の米国の投資額は2倍に増えているのに対し、日本の投資額は1.5倍にとどまり、成長性も低くなっている。
そうした背景から、スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化を目的に、ストックオプションの環境整備や公共調達の拡大などを進めていくという。ここでは、主に28の取り組みを実行していく狙いとのこと。
1. 中小企業基盤整備機構のベンチャーキャピタルへの出資機能の強化
2. 産業革新投資機構の出資機能の強化
3. 官民ファンド等の出資機能の強化
4. 新エネルギー・産業技術総合開発機構による研究開発型スタートアップへの支援策の強化
5. 日本医療研究開発機構による創薬ベンチャーへの支援強化
6. 海外先進エコシステムとの接続強化
7. スタートアップへの投資を促すための措置
8. 個人からベンチャーキャピタルへの投資促進
9. ストックオプションの環境整備
10. RSU(Restricted Stock Unit:事後交付型譲渡制限付株式)の活用に向けた環境整備
11. 株式投資型クラウドファンディングの活用に向けた環境整備
12. SBIR(Small Business Innovation Research)制度の抜本見直しと公共調達の促進
13. 経営者の個人保証を不要にする制度の見直し
14. IPO プロセスの整備
15. SPAC(特別買収目的会社)の検討
16. 未上場株のセカンダリーマーケットの整備
17. 特定投資家私募制度の見直し
18. 海外進出を促すための出国税等に関する税制上の措置
19. Web3.0 に関する環境整備
20. 事業成長担保権の創設
21. 個人金融資産及びGPIF等の長期運用資金のベンチャー投資への循環
22. 銀行等によるスタートアップへの融資促進
23. 社会的起業のエコシステムの整備とインパクト投資の推進
24. 海外スタートアップの呼び込み、国内スタートアップ海外展開の強化
25. 海外の投資家やベンチャーキャピタルを呼び込むための環境整備
26. 地方におけるスタートアップ創出の強化
27. 福島でのスタートアップ創出の支援
28. 2025年大阪・関西万博でのスタートアップの活用