これが本書で説明されている「ネットワーク効果」の理論であり、スタートアップがたどる成長の過程を表したフレームワークなのである。単純に、「多くの人が使えば使うほど製品の価値が高まる」という従来の定義と比べると解像度の違いがわかるだろう。
本書の第2章からは、このフレームワークを以下の5つのステージにわけて説明している。
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コールドスタート問題:製品を開発してまず解決しなければならない問題とその解決法
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転換点:サービスがさらに成長しやすくなる転換点を越えるために取れる戦略
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脱出速度:製品の成長に全力を注ぐために注目すべきネットワーク効果の3つの作用
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天井:サービスの成長を阻む問題と対策
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参入障壁:競合から自社を守るために取れる戦略
各ステージでスタートアップが直面する課題に加え、Tinder、Dropbox、Instagramなどの成功事例とともに解決のヒントを提示している。詳しくは本書で確認してほしい。
ネットワーク効果でサービスを急成長させたい立ち上げ期のスタートアップのみならず、成長の鈍化から抜け出すヒントを探している中規模のサービスや、市場で最大規模となったサービスを新興のスタートアップからどう守るか考えている人にとっても役に立つ内容となっているはずだ。