abceedがどのような背景で開発され、現在に至るまでにどのような変遷を辿ってきたのか。幾嶋氏に聞いた。

abceed
Globeeが展開する英語学習アプリ「abceed」。既存の教材の中から、ユーザーごとに最適な問題がレコメンドされるのが特徴だ

大学4年時に創業、始まりはオフラインの英会話スクールから

Globeeは幾嶋氏が慶應義塾大学在学中の2014年6月に立ち上げたスタートアップだ。

創業時の事業内容は、自身の実体験を活かした“我流の英語スクール”。東京・中目黒に開設したオフライン型の英語教室で、特別なテクノロジーなどを使ったものでもなかった。

なぜ英語学習だったのか。背景には大学入学時に感じた「悔しさのようなもの」があったという。もともと受験では英語が得意科目の1つだったが、いざ大学に入学してみると留学生や帰国子女を始め、周囲には自分よりも遥かに英語が上手な同級生が何人もいた。

「会話の内容を全然理解できず、自身の英語力のなさを痛感したことで、英語学習に対する熱が湧き出てきて。受験だけで終わらせたくないと思い、『これからの1年間は英語だ』と決めて、大学1年の後半頃から本格的に学習に取り組み始めたんです」(幾嶋氏)

そこで幾嶋氏はフィリピンへの短期留学を経験。日本にいる時も英語が堪能な留学生の友人などと毎日のようにコミュニケーションを取り、英語に触れる頻度を増やした。そのような生活を1年ほど続けているうちに、少しずつスムーズに会話ができるようになったという。

TOEICのスコアも大学2年生の1月で870点、対策をして挑んだ2カ月後の試験では955点まで上昇。定量的にも「手応えをつかめた」1年になった。

次第に周囲から勉強方法を聞かれる機会が増えたことを機に、幾嶋氏は大学3年時に英語を学びたい学生向けのサークルを立ち上げる。さらにそれを発展させるようなかたちで、翌年にGlobeeを設立。自身の実体験をベースにした英語学習スクールを始めた。

「英語学習を通して、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのような海外の起業家の考え方に触れる機会が増えたことで、起業への関心が強くなっていきました。(英語学習スクールは)私自身がフィリピンに留学して英語に毎日触れたことで感覚がつかめるようになったので、同じような体験を日本でもできるような環境を作りたいと思ったのがきっかけでした。私の原体験をカリキュラムに落とし込んだかたちで、それが他の人にも合えば面白いのではないかなと思ったんです」(幾嶋氏)

テクノロジーを用いて「英語学習における無駄」をなくす

幾嶋氏によると最初は「勢い先行で起業した部分もあった」が、大学受験などで英語学習に触れていた有名大学の生徒が多かったことも追い風となり、受講生のTOEICのスコアが2カ月で平均150点近く上がるなど一定の成果が出た。一方で、いざやってみると課題を感じる部分もあったという。