イエソドが目指しているのは、こうした状況をSaaS統制プラットフォームによって効率化していくことだ。同社ではそのための軍資金として、8月17日にDNX VenturesとANRIからコンバーティブルエクイティ型新株予約権の発行を通じて2億円の資金を調達したことを明かしている。

SaaS管理のためには前提として組織管理が必須

 

SaaS管理の課題とは具体的にどのようなものを指すのか。わかりやすいのが管理部門、中でも情報システム担当者の業務負荷の増加だ。

メンバーの入退社や組織変更の度に該当するSaaSを開いてアカウントの発行や削除、権限変更などを手作業で行う。イエソドが話を進めている会社の中には100個以上のSaaSを導入しているところもあるようで、その規模になってくるとアカウントの登録削除だけで担当者の1日が終わってしまうということにもなりかねない。

監査にあたって誰がどんな権限で各SaaSを使っているのか、後から「アカウントの棚卸」をしようと思っても把握するのに膨大な手間と時間を要する。

単純に業務負荷が増えるだけでなく、情報漏洩に繋がるセキュリティリスクや統制リスクといった問題も生じる。「間違ってインターン生が経営に関わる情報にアクセスできるようになってしまっていた」「退社した人のアカウントがいつまでも残っていた」といった話も決して珍しくはないという。

イエソドではこのようなSaaS管理の課題の本質が「人事・組織情報を正しく管理できていないこと」だと捉え、開発中のYESODに「人事情報をまるごと格納でき、時系列に管理できるデータベース」の仕組みを組み込んでいる。このDBによって組織の情報が正しく整理された状態を作った上で、各SaaSと連携してアカウント管理や権限管理を自動化していくというのが同社のアプローチだ。

YESODの個人ページ。社員ごとのデータベースを作成する

「(企業と話す際には)SaaSの管理をやりたいのであれば、その前提としてまず組織管理が必要だとお話しています。特に中小企業や新興のITスタートアップはExcelやGoogleスプレッドシートを使って従業員や組織の情報を管理している企業が多いのですが、その方法だと『いつ誰が内容を変更したのか』『各項目はいつの時点の情報か』が正確に把握できてない、組織の兼任など複雑な情報を整理できていないといった問題が生じてしまいます。そこに投資をして力を入れてきた一部の企業を除いて、多くの会社が同じような状況に陥っているのが現状です」(竹内氏)