とはいえ、従量課金の導入はまだまだ先の話。当面は専門工事業者が利益を上げ、持続可能な企業に転換できることを伝え、導入成果を出してもらうことで認知を広げたい、と眞部氏は話す。このため、建ロボテックは半ばコンサルティングのような業態へ変わろうとしているという。
「鉄筋業は、私も含めてPR下手が多い業界。鉄筋業者の地力だけでなく、ゼネコンを対象にした企業ブランディングも必要と考えています。そこでコンサルティングの一環として、TAC(Tomorobo Advanced Company)認定制度というものも用意しました。トモロボを活用してスマート施工を推進しようとしている会社をゼネコンに発信するといった活動も地道に進めていきます」(眞部氏)
まずは鉄筋結束トモロボを徹底的に進化させることで、現場で本当に使えるものとして認知を広げ、導入する鉄筋業者の成長ストーリーをつくる、と眞部氏。その上で建設業の別の専門業種それぞれに、同じように省力化ソリューションを広げていきたいと語る。
また、トモロボで収集した建設現場のデータをまとめて予測・分析に活用するプロトコルを、AI研究・開発企業と共同開発することも検討しているとのことだ。これにより「ロボットの故障情報だけでなく、地域ごと・業種ごとの人でのニーズ予測など、日本全国での労働力共有が生まれると考えています」と眞部氏は話している。
「最終的にはトモロボオペレーションシステムを展開できればと考えています。ロボットを軸に、周辺業務をウェブサービス化し、省力化ソリューションとして提供していきたい」(眞部氏)