3つ目はコミューンのCS担当者が同社の蓄積してきたナレッジを基にコミュニティ運営に伴走すること。この領域はまだ型化されたナレッジなどが出回っておらず、ツールだけを渡しても上手く運用するのは困難だ。そのためコミューンでは自社でためてきた知見を“虎の巻”に落とし込み、それを活用しながら各顧客にCS担当者が付いてフォローしているという。
シャープなど50社が活用、特徴は柔軟性と独自のナレッジ
冒頭でも触れた通り、現在commmuneは約50社に活用されている。BtoC企業、BtoB企業に限らず利用が進むが、高田氏によると今のところはシャープやワークスアプリケーションズを筆頭にエンタープライズ企業がメインユーザーだ。
大企業は顧客数も多いため「限られたリソースを使っていかに効果的に既存顧客のLTVを高めるか」が重要な論点になる。その際にコスト効率に気を配りながらも顧客との関係性を最大化する手段として、commmuneが現場のニーズに合致するのだという。
特にエンタープライズ企業が導入検討する際にはSIerと比較されることが多い。SIerに頼んで自社のコミュニティサイトを作ってもらう場合、ネックになるのが価格と柔軟性だ。開発に数千万円単位の費用がかかることも珍しくないほか、後から細かい機能改善をするにはその都度追加で費用が発生する。
その点commmuneはミニマムで月額25万円から始められるSaaS型プロダクトのためエントリーのハードルが比較的低い。コミュニティの設計も担当者が自ら柔軟に変えられるため、PDCAを回しやすいのも利点だ。
「多くの企業はオンラインコミュニティに初挑戦するため、スタート時点で明確な正解のイメージがあることは少なく、実際に試しながら最適解を見つけていく場合がほとんどです。そのため改善したいと思った時に現場の担当者が簡単に仕様を変えられることが重要。またコミューンでは『他社の事例』や『平均的に上手くいっている施策』などをデータに基づいてアドバイスができ、そういった点に価値を感じていただけています」(高田氏)
利用用途としては「顧客のエンゲージメントを高める目的でオンラインコミュニティを活用する」ケースが全体の約8割。中にはフランチャイズ加盟店や代理店など取引先とのコミュケーションを円滑にする目的や、製品改善のためにユーザーから意見を収集する目的でcommmuneを活用する企業もいる。
たとえばシャープの場合はcommmuneを用いて「ヘルシオ ホットクック」の公式コミュニティ「ホットクック部」を運用。このコミュニティではユーザーが投稿したレシピや活用術が軸となっていて、熱量の高いヘビーユーザーによって生み出されたコンテンツがライトユーザーのエンゲージメントを高めることに大きく貢献している。