コミューンでは9月28日にDNX Venturesと既存株主であるUB Venturesを引受先とした第三者割当増資により総額4.5億円を調達した。この資金を活用して人材採用や機能拡充などを行い、顧客接点のデジタルシフトを加速させていく計画だ。

オンラインコミュニティをコーディングなしで簡単に構築

コミュニティタッチツール「commmune」
コミュニティタッチツール「commmune」

既存顧客とコミュニケーションをとるには、営業が顧客企業を訪問したり、カスタマーサクセス(CS)担当者が各社に電話をしたりと今でもアナログなやり方が主流だ。同じことを何度も説明するようなことも多々ある。

営業は訪問、問い合わせはサポート部門に電話、新機能のお知らせはメルマガといったように目的ごとにチャネルが分断され、それぞれの相乗効果は少ない。自社から顧客への一方通行のコミュニケーションになっているため負担も大きく、提供できる情報にも限界がある。

これらの課題の解決策として近年海外のSaaS企業を中心に広がっているのが、オンラインコミュニティを活用した「コミュニティタッチ」というアプローチだ。

コミュニティタッチではこれまで分散していた既存顧客とのコミュニケーションチャネルを、オンライン上のコミュニティに統合する。そこには企業とユーザーが参加し、企業からの情報共有はもちろん、ユーザー同士の自発的な情報交換も頻繁に行われる。コミュニティがそのサービスについてもっとも正しく、もっとも新しい情報が集まった「ポータルサイト」のような位置付けとして機能するわけだ。

既存顧客とのコミュニケーション手法にオンラインコミュニティを活用する「コミュニティタッチ」が注目を集めている
既存顧客とのコミュニケーション手法にオンラインコミュニティを活用する「コミュニティタッチ」が注目を集めている

commmuneはまさにこのコミュニティタッチ用のツールとして、企業がオンラインコミュニティを構築し、効果的な運用ができるように手助けする。コミューン代表取締役CEOの高田優哉氏によると特徴は大きく3つだ。

1つ目はコーディングなしでコミュニティを開発できる“ノーコードツール”であること。直接的にコミューンを使うことになる担当者はCSやマーケ部門のメンバーになることが多く、自らコードを書いてゼロからコミュニティを構築するとなるとハードルが高い。コーディング不要で自社のコミュニティを作れることがポイントになるという。

2つ目は運用管理や分析のためのダッシュボードが用意されていること。単にコミュニティを作るだけなら、Facebookグループなどを使ってもできないことはないが、その場合ユーザーの細かい動向を分析したり、その結果を基にカスタマイズしたりすることが難しい。commmuneは企業のコミュニティ運営用のツールとして開発されているため、運用管理や分析のための機能も必要なものが備わっている。