具体的にはインフルエンサーのオーディエンスデータ、広告案件の実績、ファンの実購買データなどを学習しオープンにしていくことで、広告主が目的や商材を基に自社に合うインフルエンサーを見つけて案件を依頼できるようなプロダクトを考えているという。
目指すのは「広告の民主化」
Nateeは創業以来「人類をタレントに!」をミッションに掲げ、個人が自分の個性や情熱を活かして稼げるような環境を作ることを目指してきた。
小島氏がTikTokにフォーカスしたMCNという道で事業をスタートしたのも、そのような考えを持っていた上で、中国版のTikTok(Douyin)に出会い衝撃を受けたことが大きい。
TikTokの高品質なレコメンドエンジンや開発元であるByteDanceの技術力の高さなどを見て「検索による能動的なインターネットの時代から、レコメンドによる受動的なインターネットの時代への移り変わり」を感じるとともに、同サービスがYouTubeやInstagramに並ぶプラットフォームになると考えたそうだ。
小島氏は前職のビズリーチでエンジニアとして「スタンバイ」や「HRMOS(ハーモス)」といったHR系サービスの開発に携わっていたこともあり、Nateeでは初期からタレントのアサインツールや動画アクセス解析ツールなどを自社で開発。企画やキャスティングに強みを持つMCNが多い中で、テックやデータを活用してクリエイティブ制作や広告・アカウント運用、効果測定までをワンストップでできるのが大きな強みになっていた。
今後も「TikTokを活用したインフルエンサーマーケティングに強い会社」としてのポジションを維持しつつも、今まで以上にテクノロジーに投資をして「プロダクトで勝負をしていく」方針だ。
「YouTubeがテレビを民主化し、BASEなどのプラットフォームが小売を民主化してきたように、自分たちが目指すのは広告の民主化に繋がるようなサービスです。自らのパッションや偏愛を基に誰でも広告媒体になれる、そんなサービスを実現していきます」(小島氏)