また、ドコモのファミリー割引の対象外となり、ahamoユーザーはドコモの家族回線としてカウントされないという。ドコモのdポイントは対象になるが、クレジットカードのdカードの特典は適用されない見込みだ。
キャリアメールも提供されないが、この点については新プランの開始時までに改善している可能性もある。現在、総務省でキャリアメールのアドレスのみを残したまま解約できるようにするガイドラインの改定を携帯キャリアに促している。実際に適用されれば、ドコモのメールアドレスだけを別途契約しつつ、ahamoへ移行することも可能になるだろう。
さらに、マーケティング上もドコモの新プランという色を消しつつ、あくまでahamoというプラン名を訴求していく方針だ。スマホ上のキャリア表示が現行の「docomo」になるのか「ahamo」になるのかは未定としているが、プロモーション動画上のスマホのキャリア表示は「ahamo」となっていた。
ただし、「サブブランド」という言葉の定義に明確なものはない。UQmobileはもともとauブランドを運営するKDDIの子会社として設立されたが、現状ではKDDI本体へ統合されている。Y!mobileはソフトバンクが買収したウィルコムが起源だが、現在はソフトバンク本体に統合されている。KDDIは傘下にJ:Com MobileやBIGLOBEモバイル、ソフトバンクはLINEモバイルという子会社も抱えており、そちらもサブブランドと認識されている。
現状でサブブランドを定義するなら「大手キャリアのグループ内で、別の携帯電話サービスの看板を掲げて展開しているもの」になるだろう。ahamoはドコモブランドの新プランと位置づけられているが、契約内容はドコモとは別の扱いとなるなど、実態としてはサブブランドにかなり近い形態を取っている。将来的にはドコモ本体とは切り離したブランドとして独立させるシナリオもありそうだ。
とはいえ、サブブランドなのかどうかは本質的な議論ではないだろう。総務省が求める条件が「わかりやすく」「納得感のある」料金プランだとすれば、サポート体制をアプリ経由に絞りこむことで割安な料金を実現したahamoは、20代のデジタルネイティブ世代にとっては納得感のある内容と言えそうだ。
楽天モバイルやMVNOには脅威に?
ドコモが競争力のあるプランを出したとなると、競合他社は対応に追われることになりそうだ。
今回のahamoの開始により、特に影響を受けそうなのが新規参入した楽天モバイルだ。同社は4G LTEのエリア展開が不十分な状況で携帯キャリア事業に参入したため、1年間限定で通信料を無料とするキャンペーンを実施してユーザー獲得を加速している。その初期のユーザーの無料期間が終了するのが、ちょうどahamoがサービスを開始する2021年3月頃となっている。