emolは2018年3月にベータ版の提供をスタートしており、iOSアプリの累計ダウンロード数は約24万件。今回の正式版では「デジタルセラピープログラム」など新たな要素も追加した。
このプログラムでは1〜3週間程度にわたってAIのレクチャーを受けながら、認知行動療法をベースとした心のケア方法を実践していく。内容はマインドフルネスの音声ガイダンスやレクチャー動画、呼吸法の実践、カード形式での選択、ミニゲームなどを取り入れているとのこと。年末年始には「今年の振り返りを行い来年を健康な心で過ごせるための7日間プログラム」も提供する。
emolでは各ユーザーに適した心のケアの方法を届けるための取り組みとして、9月より第一生命と共同で保険商品のレコメンドを行う実証実験も実施。今後はアプリ上の仮想の街(emol town)を通じて、さまざまな悩みの解消法を提供する計画だ。
第1弾として上述したオリジナルのセラピープログラムのほか、ハーブブランドのRosy Tokyoとの連携でハーブ製品を提供。漢方、ヨガ、アロマ、クリニックなどヘルスケア関連サービスとの連携も予定しているという。
AIアバターとの会話で悩み解決のヒントを得られる「PATONA」
方向性は多少異なれど、24日に公開されたライフパートナーアプリ「PATONA(パトナ)」もAIアバターと会話して、悩み解決のヒントを得られるサービスだ。
同サービスでは最初に自分のパートナーとなるアバターを作成。ゲーム感覚で対話を重ねていくほどアバターがユーザーのことを学び、返答や提供されるコンテンツが最適化される。
PATONA上には「怒りや悲しみ、不安といった感情にどう対処するか」「自分のことが嫌になったときにどんな風に考えると良いか」など、複数の状況や感情に沿った“対話シナリオ”が用意されているのが特徴。アバターがユーザーの悩みの解決を支援するような設計になっている。
2020年は新型コロナウィルスの影響もあって、今まで以上にストレスや不安な気持ちを抱えた人も多いだろう。
参考までに、オラクルが日本を含む11カ国・1万2000人以上を対象に実施した調査では70%の人々が「これまでのどの年よりも2020年は職場でストレスと不安を感じた」と回答。テクノロジーによるメンタルヘルスのサポートを求める人も多く、「メンタルヘルスのサポートを人よりもロボットに頼りたい」という回答も82%を占めたという。
先入観などを持たずに悩みを聞いてくれ、回答も素早い。「AIとの会話を通じたメンタルヘルスケア」が広がっていく可能性もありそうだ。