LiSAだけでなく全体的に、このチャートはアニメのすごさを思い知らされますね。TK from 凛として時雨の「unravel」は「東京喰種トーキョーグール」の主題歌で、いきものがかりやKANA-BOONは「NARUTO」の世界的人気の強さが反映された形ですし、今年はジブリの音源開放もあったので久石譲さんがよく聴かれていました。

その中で面白いのが、cinnamons × evening cinemaの「summertime」。これも少し前の曲(2017年リリース)なんですけど、TikTokをきっかけにベトナムなど東南アジアで火が付いて、アジアの国のバイラルチャートで1位を取るようになり、そこから他の国へも飛び火していきました。オーガニックに発見されて聴かれているのがすごいと思います。

──アニメタイアップ以外の形でJ-POPを他国へ輸出させる方法をこれまでもいろんな人たちが挑戦してきましたけど、ここでまた新たな扉が開きそうですね。

「summertime」も「シティポップ」と呼ばれるジャンルだと思うんですけど、海外でのシティポップの人気の爆発がすごかったなと思っていて。最近で言うと、松原みきの「真夜中のドア」という80年代の楽曲が海外で爆発的に聴かれているんです。

海外での日本のシティポップの受け入れられ方は、もともと山下達郎や竹内まりやなどのアナログ盤を掘るようなサブカル的な動きがあり、少し前にNight Tempoなどクラブカルチャーの中で日本のシティポップのカバーやリコンストラクションバージョンをDJが使うという動きがあったんです。そういったムーブメントがどんどん結び付いて発展し、今はメインストリームにまで波及しているような気がしています。

<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/9kgPZQYoXHs" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>

海外のストリーミングですごく聴かれている形に成長していて、「City Pop」というプレイリストは今アメリカで一番聴かれている現象が起きているんです。