実際、スポーツ選手の中には、アファメーションを日常に取り入れている人が多いものです。私がカウンセリングを行ったプロアスリートで、アファメーションによって成績が向上した人も何人もいます。ゴルフプレイヤーやフィギュアスケート選手など、さまざまな競技の選手たちに効果がありました。

大きな声と笑顔で話す人の脳は
心と体に効くホルモンを分泌している

身につけたい口ぐせ「にこやかに声を響かせる」

 言葉だけでなく「話し方」にも気をつけましょう。話し方によって、自己肯定感を高めることもできるのです。つまり、よい言い方、よい口調、よい話し方をしていくことでも、こころのアクセルを踏むことができます。

 これはとくに無意識の「くせ」の部分が大きいですから、習慣化してしまえば、ばつぐんの効果を標準装備にすることができます。ぜひ、身につけてくださいね。

 ポイントは、声量と表情です。みなさんは、陸上競技の砲丸投げの試合を見たことがありますか?選手のみなさんは、砲丸を投げる瞬間、必ずとても大きな声で何かを叫んでいます。

 あの「叫び」にはちゃんと理由があります。大きな声を出すことによって脳内にアドレナリンが分泌され、より大きな力が発揮できるのです。

 アドレナリンは、交感神経を刺激するホルモンです。交感神経とは、からだの機能を活性化してくれる自律神経のこと。交感神経が刺激されると、からだとこころが興奮モードになり、心拍数や血圧が上昇して、からだのパフォーマンスが高まるのです。

 また、「人間は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのだ。楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなるのだ」という言葉をご存じでしょうか?

 これは心理学の世界で、ジェームズ=ランゲ説として知られる理論です。実際、人間は笑うとエンドルフィンという幸せホルモンや、ドーパミンという快楽ホルモンが分泌されます。

 エンドルフィンは、「幸せだな」という幸福感をもたらしてくれるものです。苦痛を和らげる作用も持っているので、別名「脳内モルヒネ」と呼ばれています。

 ドーパミンは、ストレスホルモンの分泌を抑えてくれる効果があり、やる気やモチベーションの維持に欠かせないホルモンです。

 つまり、どんなときでも、口角を上げて笑顔になれば、こころに非常によい影響が生まれるのです。