二つ目の研究では、保健指標評価研究所(Institute for Health Metrics and Evaluation;IHME)のGBD(疾病負荷研究)2019で報告されている、2000年から2019年における世界204カ国での不安障害とうつ病、自傷行為の有病率に関するデータを用いて、これらとインターネットおよびモバイルブロードバンドの使用との関連について検討された。

 その結果、不安障害の有病率には増加が、うつ病と自傷行為の有病率には低下が認められたものの、統計学的には、こうした変化はほぼゼロに等しいことが明らかになった。

  Przybylski氏は、「われわれは、年齢や性別によって結果が異なる可能性を考えて詳細に検証したが、特定のグループでよりリスクが高いとする一般的な考えを支持する証拠は見つからなかった」と同大学のニュースリリースで述べている。

テクノロジー企業から
より多くのデータが必要

  このような結果が得られたとはいえ、研究グループは、インターネット利用の影響についての理解を深めるためには、テクノロジー企業からより多くのデータを提供してもらう必要があると主張している。

  また、「インターネット技術が与える影響に関する研究が停滞している原因は、そのような研究に欠かせない重要なデータが、テクノロジー企業やオンラインプラットフォームによって収集され、非公開で保管されているせいだ」と指摘する。

  そして、「人々がインターネット技術をどの程度取り入れ、使用しているかに関するデータを、全ての関係者がより詳細に、より透明性をもって研究することが極めて重要だ。これらのデータは、世界的なテクノロジー企業によって、マーケティングや製品改良のために収集され、継続的に分析されてはいるが、残念ながら、個々の研究のために利用することはできないのが現状だ」と述べている。(HealthDay News 2023年11月28日)

https://www.healthday.com/health-news/mental-health/internet-poses-no-threat-to-mental-health-major-study-finds

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.