徳力 飯高さんは1986年生まれですよね。私はインターネットに最初に触れた年代によって、ネット上のコミュニティに対する向き合い方が変わり、それがビジネスにも影響を与えているという仮説を持っています。飯高さんが最初にインターネットに触れたのは、いつ頃ですか。
飯高 僕はけっこう遅いですね。大学生の3年生のときに少しだけmixiをやったことでしょうか。
ガラケーの「掲示板サイト」は、ネットという感覚ではない
徳力 大学生になるまでケータイのネットサービスは、あまり使っていませんでしたか。
飯高 そうですね。ケータイは中学生の頃から持っていたのですが、当時はガラケーの掲示板サイトで、自分とは違う中学校に通う友人と連絡を取っていたぐらいでしょうか。
徳力 それは飯高さんにとっては、インターネットではないんですね。
飯高 はい、その感覚はなかったですね。
徳力 その感覚の違いが面白いですよね。飯高さんにとってのインターネット上の掲示板サイトは、友だちとの連絡を取り合うためのものだから、メールの延長線上であって、オープンなインターネットではないという意味ですね。
仕事をし始めてからインターネットをしだした私からすると、飯高さんはデジタルネイティブ過ぎるくらいにネイティブな世代です(笑)。飯高さんがインターネットにガッツリ関わり出したのは、いつからですか。
飯高 2008年にTwitterを使い始めたときでしょうか。仕事としては、人材会社で営業を経験した後にクラッチというWebマーケティング会社に入社してからです。そこでFacebookマーケティングの支援や、会社が運営するブログ「ソーシャルメディアのハンパない状況」を立ち上げました。
徳力 ソーシャルメディアがビジネスになり始めていた時期ですよね。
飯高 そうですね。ちょうどアジャイルメディア・ネットワークさんや、トライバルメディアハウスさんがソーシャルメディア事業を始めるタイミングだったと思います。
その後、2012年にデジタルマーケティング支援会社のハイベロシティに入社して、企業のFacebookページの運営を支援するアプリ「Hivelo Social Apps」を担当して、導入社数を一気に伸ばしていきました。
「SNSでモノを買う時代」のマーケティング
徳力 今回の書籍のタイトル『僕らはSNSでモノを買う』は、とても秀逸だと思いました。飯高さんは、SNSの口コミにモノを買わせる効果があるという結論に早いタイミングで至っていたのでしょうか。
飯高 そうですね。自分の中でそれが答えとして出たのは、ハイベロシティにいた7年前だったと思います。あまりインターネットを触っていなかった私でさえ、SNSの口コミでモノを買うのであれば、より多くの人もそうだろう、と。