飯高 そうですね。自社の商品に一定の口コミがあるのであれば、まずはそれを分類することがスタートです。次に競合の商品の口コミも同じように分類すると、絶対に自分たちの口コミにない分類が出てくるんです。あとは、その分類の口コミを増やす施策を考えます。

 また、まだフォローしてくれていない分類があるのであれば、そのステークホルダーを集めながらUGCを増やすこともあります。

徳力 飯高さんの著書でも、公式アカウントがユーザーの投稿に「いいね!」を付けたり、リツイートしたりすることを推奨していますが、実際にSNS運用がうまくいっている企業はそういうことを地道にしているんですよね。前回、お話を聞いた上田監督のチームも、本当に丁寧にやっていました。

飯高 商品を買って公式アカウントがアクションを起こしてくれたら、シンプルにうれしいですよね。映画であれば、その出演者や制作者がアクションを起こしてくれるなんて、普通はありえないことです。でも、それが起きるのが、SNSの一番いいところだと思います。

 マーケティングは、当たり前のことを愚直にやるのが一番重要です。キャンペーンでポーンと打ち上げ花火を上げても、入射角と反射角は一緒なので、2日でバズったものは2日で消えてしまいます。しかし、自然発生的に起きた口コミは、なかなか落ちないんですよ。

>>3月19日(木)公開予定の後編に続きます。