B社の代表は「オフィス移転直後からのスコア改善を期待しての調査だったが、コロナへの不安が外的要因として大きく反映されたようだ」とこの結果を分析している。B社にはパートタイマーとして働く女性が多く、「学校の休校などで家庭での負荷が高まったことが、制度やメンタル面での不満・不安につながっているのではないか」ということだった。
また、家庭にパソコンがあっても別の家族が使っているという従業員も多く、インターネット接続も含めた全員分のリモートワーク環境を短時間で整えるのは、B社では困難だという。ただ「新型コロナには1~2年で3000万人が感染するという数字もあり、いずれ対応は必要になるだろう。すぐには難しいが、リモートワーク導入の検討を始めている」と担当者は話していた。
「今後リモートワークが増えていけば、オフィスの環境だけ良くしても環境が整ったとは言えない時代になってくる。人間関係などで知恵が要るだろう。そういう面でも、ハイジは答えを探すためのきっかけになっている」(B社代表)
スコアの変化を参照して
勤務時間などの制度を変えたOKAN
ハイジを提供するOKANでも、従業員へのサーベイを実施しており、スコアの変化を目の当たりにしている。OKANは3月25日の小池百合子東京都知事による外出自粛要請を受け、26日から初めてリモートワークを導入した。
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OKANでは、「働き方に関する制度の充実」「働き方に関する周囲の理解」「フィジカルヘルス」「生活負担の軽減」といった項目ではスコアが上昇したが、「執務環境」「リフレッシュ環境」についてはスコアが下がっている。
OKANの人事・労務担当者は、結果について「リモートワークをオフィシャルに実施できるようになったことで、長時間の通勤や育児時間が取れないといった課題が解消。選択肢が増えたことが好評価を得た」として、「現状をポジティブに捉えている」と話している。
働く環境については「リラックスできる」という声もある一方で、インターネット接続やパソコンなど、オフィスとリモートワークの環境の違いに満足できないという従業員もいて、執務環境に関するスコアは下がってしまったOKAN。また家庭で仕事をするにあたっては、小さな子どもの世話や介護をはじめとした家事と並行しての業務や、休憩時間の確保などで課題のあるスタッフも多いという。
OKANではハイジのスコア変化を参考に、従業員が安心して働けるよう、さっそく4月から制度面での改善に乗り出した。まず、保育・介護をしながらの勤務をオフィシャルに推奨。保育施設、介護施設が閉鎖されたり、利用の自粛が要請されたりしている場合には、自宅で保育・介護を行いながらの在宅勤務を勧めている。