また、フレックス勤務の標準時間帯を拡大。これまでOKANでは、勤務の標準時間帯は9時30分から18時30分と定められていたが、日中の業務時間が取りにくい従業員には、希望制で5時から22時の時間帯での勤務を認め、家庭の状況に合わせた柔軟な対応を可能とした(健康保持のため、勤務時間のインターバルを9時間以上設けることが義務付けられている)。さらに、緊急事態宣言中にフルタイムの勤務時間が確保できない社員には、臨時で時短勤務を適用できるようにした。
新型コロナの影響で高まる
従業員の状況把握と離職防止対応ニーズ
OKAN代表取締役CEOの沢木恵太氏は、新型コロナウイルス感染拡大の離職に対する影響について「仕事の環境だけでなく、育児など家庭の環境も変わっている。これまでに育児・介護に関する制度を設けていた企業でも、そのままでは制度が使えないケースも増えている。企業がこれに対処できなければ従業員は働けなくなり、望まない離職はますます増える」と話している。
「これまでは投資の優先順位が付けにくかったために(生産性向上に直接つながる)『やりがい』が重視されてきたが、人材を定着し、離職を防ぐには、やりがいだけではなく、ハイジーンファクターをカバーしなければならなくなってきている」(沢木氏)
今回のコロナ禍のように大きな変化に見舞われた際にも、ハイジで従業員の状態を可視化することで、離職を防ぎ、パフォーマンスを向上させる有効な打ち手を見つけることができる、と沢木氏はいう。
「面白くもあり、難しくもあるのが、すべての企業に共通して有効なプラクティスはないということだ。OKANでは、各社のアンケートを分析して、それぞれの組織に適切な施策を提案し、支援しているが、このニーズはコロナ禍でより一層高まっている」(沢木氏)
沢木氏は今後、ハイジでより適切に分析・判断を行い、企業が何に投資すべきかを見極められるように機能追加やアップデートを進めていくと述べている。その一環として4月23日、これまでのハイジーンファクター12項目を9項目に再編成し、新たに6項目を加え、抽出項目を15項目へとリニューアルした。これは、離職に因果関係のある要因を日本大学経済学部准教授の櫻井研司氏の監修のもと、共同調査した結果に基づくものだ。
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さらに分析レポートとセットで、離職防止にあたって企業がどう対策すればよいのかサポートする機能を、コンサルティングではなくサービスとして提供していきたい、と沢木氏は話している。