ベースとなるカレールーはすべてのメニューで同じものを使用する。筆者が食べたところ、酸味とスパイスの効いた爽やかな辛さが特徴的だった。
西山氏いわく、トマトとタマネギのうまみと柑橘類の酸味、動物と魚介でとったスープ、カルダモンやクミンをはじめとしたスパイスをふんだんに使っているのがポイントだそうだ。一方で小麦粉や添加物は使用せず、塩と油分も極力控えめにして、「毎日食べても胃もたれしないカレー」(西山氏)を目指した。
有料会員数十万人の教育アプリから、カレーの世界に
FOODCODEの代表を務める西山氏は1981年生まれの38歳。新卒で入社した企業では、スマートフォンを活用した教育アプリの事業責任者を務めた。社内の新規事業提案制度で教育アプリを提案し、有料会員数で数十万人という規模まで成長をけん引した。
だが、もう一度、ゼロイチ、つまり新しい事業を初めから立ち上げたいという思いから起業を考えていたのだという。そのテーマに選んだのがカレーだった。
「大学時代は建築を学んでいました。それもあって、ずっといつかは衣・食・住に関わるものを提供したいと思っていました。去年くらいから『本気の遊び』としてカレーを作り、真剣に追求していったんです」
「実際にカレーを作って、食べてもらって、美味しい!と言ってもらって、ワクワクする感情が高ぶる。そんなカレーに人生をかけてみたいと考えているうちに起業を決めていました。個人的にはこの1年で50kgのダイエットに成功したんですが、本当に大変でした。世の中にヘルシーな食品はあります。でもそういった食品の多くは値段が高い。健康のために、おいしくてヘルシーで、さらに安いという食品があまりないのは『不』だと思っていたんです」(西山氏)
カレーの世界、誘ったのはDeNA共同創業者
西山氏をカレーの世界に引き込んだのが、DeNAの共同創業者であり、教育スタートアップ・Quipperを創業し、売却まで導いた渡辺雅之氏だ。渡辺氏は現在、FOODCODEの取締役を務めている。
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イギリス・ロンドンのカレー店で料理修行をした経験もある渡辺氏と、仕事を通じて知り合った西山氏。渡辺氏とその友人らが集まる“カレー仲間”の会に加わり、業務時間外でおいしいカレー作りを研究していた。
カレー仲間の中には、料理ユニット「東京カリ~番長」を立ち上げ、現在はカレー用スパイスのサブスクリプションサービス「AIR SPICE」を手がける水野仁輔氏をはじめとした料理界の有名人もいるという。この仲間たちと試行錯誤して作ったカレーがTOKYO MIX CURRYで提供するカレーのベースになった。