爪の切り方が原因で
雑菌が入ることもある 

爪の状態で分かる全身の病気、横筋が入るのは何のサイン?中村光伸 光伸メディカルクリニック院長

 加齢によって起こる爪の変化以外にも、40~50代の男性に起こりやすい症状があります。この世代では、手と足の爪の両方に起こる症状も出てきます。どのような症状があるのか20本の爪を見ながら確認してみましょう。

1. 爪周囲炎(そうしゅういえん)
 爪周囲炎は、爪の周囲の皮膚に起きる感染症です。爪囲炎(そういえん)とも言います。ささくれや深爪などが原因となり、雑菌が侵入して発生。次第に爪の縁に沿って化膿してうみがたまり、赤く腫れ上がります。

「爪の切り方が原因となる場合もあります。爪先(白い部分)の角が皮膚より内側に入るぐらい切ってしまうと、切った角が爪の下にある皮膚に食い込み、爪が伸びたときに雑菌が入ってしまいます。一見、良い状態の爪でも爪の角が段になって皮膚の下に食い込み、爪が伸びていくと皮膚を傷つけてしまい、そこから雑菌が入って腫れ上がってしまうケースもあります」

2. 爪真菌症(つめしんきんしょう)
 爪白癬(爪水虫)とも言います。足の爪に発症することが多いですが、まれに手の爪にも起こる場合があります。手の爪に起こる原因は、免疫力の低下が考えられます。足の爪に発症することが多い理由は、爪の周りに存在する白癬菌(はくせんきん)が原因とされています。

「爪真菌症というのは、誰でもかかり得る感染症です。いきなり爪に感染するということはなく、皮膚から爪に侵入して発症します。白癬菌への感染は、白癬菌を持つ方との物の共有や足が蒸れた状態で靴を履いたりすることで起こります。しかし、24時間以内に洗うことで感染リスクは低くなります。温泉やプールなど不特定多数の方が裸足になる場所へ行ったときは、帰宅後に手だけではなく、必ず足も洗うようにしましょう」

3. 陥入爪(かんにゅうそう)・巻き爪
 陥入爪は、爪が伸びていく際にどんどん爪の端が周囲の皮膚に食い込んでしまう状態です。一方、巻き爪は、爪の端が内側に巻いている爪の変形です。

「手と足の爪の真下には骨があります。指に力を入れたときに骨がその力を受け、その反作用を骨と爪で分散して力を逃がして圧を与えます。爪自体は平らな板状ではないので、使わず放っておくと巻こう巻こうとします。それを日常生活の押す動作によって、軽いカーブに抑えられています。巻き爪は、親指を使わずペタペタと歩いている方が多く発症しています。歩くときは、親指をグッと踏み込むことが大事です」