一癖バリスタが実践するコーヒーの淹れ方、朝の1杯が見違える!コーヒーは、温度によって味わいが変わる (写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、バリスタとなった若い世代が、個性的な個人店を続々とオープンしている。経堂のコーヒーロースタリーカフェ「Raw Sugar Roast(ローシュガーロースト)」共同代表の小坂田祐哉さんもその一人だ。コーヒーに魅了された小坂田さんが、その魅力と新しい味わい方、そしてとっておきの淹れ方を指南する。(取材・文/フリーライター 手柴史子)

焙煎度合いは8段階ある
どうやって選ぶ?

 自宅でコーヒーを楽しむ場合、好きな味を見つけられるかが大きなポイントとなる。コーヒー豆には浅煎りや深煎りなどがあるが、どう選べばいいのだろうか。

 焙煎度合いは8段階に分けられ、浅煎りから順番に、ライトロースト、シナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンロースト。焙煎後の豆の色は、深煎りになるにつれ濃くなっていく。小坂田さんが違いを「肉の焼き方」で例えてくれた。

「ステーキのレア、ミディアム、ウェルダンのようなもの。肉は焼けば焼くほど焼き目が濃くなり、焼きすぎると焦げますが、焙煎も焼きが強く長いほど焦げて苦味が出ます」

 浅煎りを象徴する風味は酸味、深煎りを象徴する風味は苦味とも言われる。浅煎りは酸味がきついからと毛嫌いするなど、あまりいいイメージを持たない人も多い。

「きちんと焙煎された浅煎りを飲んだことがないからかもしれません。店でお出しするのはブレンドをしない“シングルオリジン”の浅煎りのみです。焙煎をコントロールすることで、刺激の強い酸っぱさではなく、フルーツのようなきれいな酸味を表現するようにしています」

 産地や作り手によってワインの味が異なるように、豆の違いをより強く感じられるのも、浅煎りの特徴だという。ちなみに、深煎りで酸味がある場合は、豆の保管の仕方が悪く、にじんだ油が酸化し、劣化している状態とのこと。