パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
海外に打って出ようとする
企業が生まれにくいワケ
日本からアマゾンやグーグルのような世界的企業があまり出てこなかった理由の1つに、日本の「国内需要」の大きさがあるといわれます。
日本は高度経済成長期を経て、人口や個人所得が増えていたため、世界的に見ても国内需要だけで、それなりの規模があるのです。
日本人だけを相手にするビジネスでも年商100億円くらいの会社であれば十分につくれますから、あえて海外に打って出ようとする企業が生まれにくいという構造があるわけです。
国内需要が小さいがゆえに
グローバル市場を目指す
一方、たとえばシンガポールや台湾、韓国のような人口の少ない国(地域)の場合、国内需要だけでは大きなビジネスに育たないので、最初からグローバル市場を目指す意識が高まります。
日本市場の約1億人をターゲットにする企業と、グローバル市場の30億人をターゲットにする企業では、おのずと戦い方が違ってきます。
国内外の巨大な需要を
ターゲットにする
米国のように国内需要が大きいうえに、グローバル市場に打って出る文化的土壌のある国もあります。
スタートアップに対する資金供給量が桁違いに多いということもありますが、そもそも多様な民族で構成されているうえに、英語という世界共通言語の優位性もあり、はじめからグローバル市場をターゲットにするスタートアップが多いのです。
グローバル市場に
打って出る好機
日本も、これからは国内需要だけで企業が生き残れる時代ではありません。
少子高齢化が進み、人口減少の局面に入っていますから、中長期的に考えれば国内需要が減少することは誰の目にも明らかです。
こうした状況をネガティブにとらえるのではなく、むしろグローバルに打って出る好機と考えてもいいと思います。
世界に打って出た
日本の起業家たち
かつての日本が高度経済成長とその後の経済発展を果たしたのは、戦後の国内需要が小さかった時代に、世界に出て行った起業家がいたことが少なからず影響しています。
トヨタの自動車やソニーのウォークマン、任天堂のテレビゲームといった日本のプロダクトが世界に広まり、大きな産業になったのは、つい30年から50年ほど前のことです。
同じようなことを、今の日本人が起こせない理由はないと僕は思っています。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。