周辺機材は以下のとおり。

・スマートトレーナー
 Zwiftアプリと連動してペダルの負荷が変わる。Wahoo(ワフー)、TACX(タックス)、Elite(エリート)などが人気。価格は10万円から25万円ほど。自転車不要のモデルもあるが、45万円超と高額。通販サイトでよく見る10万円以下のタイプはアプリ連動で負荷が変わるスマートトレーナーではないものがほとんど。現在市販されているスマートトレーナーは静音性が高い。
「親に言われたのはスマートトレーナーの音よりも、あなたの呼吸のほうが気になる」(植竹)

・パソコン、スマホ、タブレットなど
 Zwiftアプリがダウンロードできるデバイス。スマートトレーナーとスマホ、タブレットなどとはBluetoothで通信するが、パソコンとは別売りドングルを経由してANT+接続も可能。

・自転車
 普段使いのスポーツバイクでいい。スマートトレーナーは、自転車の後輪を取り外してトレーナー本体のギヤに自転車のチェーンを掛けてセットするタイプが多い。2台以上を所有している人はスマートトレーナー専用にすることもできるが、ハンドルやサドルのセッティングはアウトドアで乗る自転車と同じようにしておきたい。
「スマートトレーナー専用のバイクを使っているが、ポジションは外で走っているものと同じ。サドル高によって使う筋肉が変わってしまうので、できるだけ同じ筋肉を使ってトレーニングしたいので」(植竹)

・モニターを置く机、フロアマット
 植竹は家族と住む自宅で、自分の部屋ではなく、共有スペースをインドアトレーニングのエリアにしている。カラーボックスの上にアップルTVのモニターを置いて画面を見る。以前は小さいスマホ画面を凝視していたが、さまざまな数値が確認できるので大きめのモニターのほうが便利だという。

・扇風機
 リアルなサイクリングでは、風によって体の熱を逃がすことができる。Zwiftは無風の室内でペダルを回すことになるので、扇風機があったほうがよい。
「冬は窓を開ければいいが、夏はガンガンにエアコンをかける。ウエアはパッド付きの自転車用ショーツがあれば上半身はサイクリングウエアでなくてもいい。汗がフレームやパーツにかからないためのカバーも市販されていて、その上にタオルを置いて自転車が錆びないようにガードする」(植竹)

 さて、必要なものを揃えていざ夢のZwiftライド。「まずはアプリをダウンロードして、自分のZwiftアカウントを作成すればすぐ始められる」などとインドアトレーニング紹介記事で記述されているが、個人のITスキルや使用機材、ネット環境によってはつまずく方もいるかもしれない。自転車関連取材において長年の経験があり、最新デバイスやネット環境に多少の知識を持つ私でも時間を要することが多い。

スマートトレーナーとデバイスがペアリングできず「画面上の自分のアバターが動かない」といったZwift特有の問題だけでなく、「手首計測の心拍モニターのペアリング方法が分からない」「スマホ画面が大型モニターにミラーリングできない」などIT機器にまつわる一般的な問題もあるだろう。

 解決法としては「再起動する」などの初歩的なやり方を試したり、「ネットで検索する」「Zwiftサイトのよくある質問を見る」などで他の利用者の報告を参考にし、最終的にどうしても上手くいかない場合はサイトのサポート窓口にチャットで相談してみよう。一度接続できてしまえば、次からはあっけなく繋がるようになる。それではよきバーチャルライフを!