専業系や兼業系、はたまた出資元を問わず、新電力業界で電力販売量トップ100に入る2023年3月期決算の68社・団体の財務を徹底比較する。3月期決算の企業・団体をランキングにすると、ワースト9位に三菱商事や中部電力ミライズが出資するMCリテールエナジーが入った。特集『新電力絶体絶命!? 経営危険度ランキング全68社・団体』(全8回)の#3では、23年冬完全版のランキングの34社を前編として紹介する。ワースト上位の主要企業に、財務基盤の状況や今期の見通しについても聞いた。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
ワースト9位にMCリテールエナジー
「2023年度は黒字化に向けて推移」
専業系や兼業系、はたまた出資元を問わず、2023年4月時点で新電力の電力販売量トップ100に入る3月期決算の68社・団体の財務を徹底比較する。
官報掲載の決算公告などから自己資本比率、自己資本利益率(ROE)、流動比率を計算し、それらを基にランキングにした。ワースト上位の主要企業には、財務の危機認識や今期の見通しについても聞いた。本稿は前編として34社を紹介する。
一部を紹介すると、三菱商事、中部電力ミライズ、ローソンが出資するMCリテールエナジーが自己資本比率4.54%、純損失8億円といった財務状況が響き、ワースト9位に入った。同社は「23年3月期の結果も踏まえ、弊社では資本増強を行い、既存のお客さまへの供給継続を中心に事業を続けてまいりました。23年度は効果的な市場活用や、その他各種取り組みを通じて、黒字化に向けて推移しております」とコメントした。
ワースト10には、他にどの新電力が入ったのだろうか。そして各社は今期の見通しについては何と語ったか。次ページで公開する。