新電力 節電地獄#11写真提供:UPDATER

新電力経営危険度ランキングでワースト7に入ったのが、「みんな電力」ブランドを展開する新電力中堅のUPDATERだ。ダイヤモンド編集部の取材に同社の大石英司社長が応じ、「下期から黒字転換している。まったく心配はない」と猛反論した。特集『新電力 節電地獄』(全11回)の最終回では、新電力の大淘汰時代を生き抜くための持論を熱く語った大石社長のインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

第3四半期から黒字転換
新電力の中で「かなり良い方」

――2022年3月期で新電力大手の経営危険度ランキングワースト7でした(本特集#1『新電力「経営危険度」ランキング【22年冬版・67社】3位エナリス、1位は?』参照)。

 そもそも21年3月期の方がもっと悪い。そこがボトム。22年3月期は若干改善しています。この間にいろんな改善策を打っています。

 トップライン(売上高)を伸ばしています。倍、倍と(ダイヤモンド編集部注:20年3月期売上高57億円、21年3月期売上高131億円、22年3月期売上高227億円)。23年3月期の着地見込みは約450億円です。

 純損失額は21年3月期は14億円で、22年3月期は7億円です。半減しています。そして23年3月期は、第3四半期から黒字に転換しております。第4四半期もさらに黒字(を上積める見込み)です。

 他社(の新電力)は今一番きついところだと思います。ですが、UPDATERは24年3月期以降も継続して黒字を見込んでいます。

 22年3月期決算の危険度ランキングだと危ない方に入ってしまう可能性がありますが、われわれからすると(新電力の中で)かなり良い方かと。この大変な中で、黒字化していますから。

 財務的にもまったく心配していません。逆に都合が悪いと、社長は表に出てこないでしょう。

 次ページでは、電力業界が厳しい経営環境に置かれているにもかかわらず、黒字転換を果たせた理由について大石氏が明らかにする。また、増資計画を示しつつ、狙いも説明。大淘汰時代に入った新電力業界で生き残るための持論を展開した。