実は違います。先ほどお話しした通り、第3文型以外の動詞は、文型によって意味が決まっています。そして第1文型は、すべて「存在」か「移動」です。

 この場合、その後ろの前置詞が「to」となっているので、「移動」と捉えて「に着く」と訳すことができるでしょう。つまり、「私は学校に着いた」と訳すわけですね。

「え!? でもgetって『手に入れる』って習ったよ!?」と思うかもしれませんが、それは第3文型の場合の意味です。たしかにget=「手に入れる」と訳す場合もあるのですが、第1文型で使われているときは、存在か移動の意味になります。

「I made for the school.」という表現がありますが、これもmake=「作る」と解釈するのではなく、「第1文型だからmadeは存在か移動だ!」と解釈して、「私は学校に行った」となります。

 get=「手に入れる」、make=「作る」と丸暗記してそのまま訳してはいけないわけです。

 逆に言えば、今みなさんが覚えている英語の動詞は、第3文型の意味がメインです。それ以外に載っているものもありますが、それは文型の意味になります。

 例えば「exist」は「存在する」という意味で英単語帳に載っていますが、これは順番が逆で、「existは第1文型で使われるから、『存在』か『移動』の意味になる」ということなのです。

 あくまでも文型が優先されているという感覚を持っておくと、英語試験の勉強がはかどると思います。

「I am.」はどう訳す?

 ちなみにみなさんは「I am.」ってどう訳すと思いますか?

「I made for the school.」「I am.」を訳せる?東大生が伝授!英語攻略法東大カルペ・ディエム『東大生が書いた英語試験の攻略本』(大和書房)

「私は~です」なんて言う人がいますが、それは「I am a cat.」のように、後ろの補語がある第2文型の場合です。「I am.」だけなら、「I」=Sで、「am」=Vの、第1文型になっています。

 第1文型ということは、あとはわかりますよね? 「存在」か「移動」になります。ここで答えを言ってしまうと、「私はここにいます」という意味になります。

 クラスで「Mr. Miuraはどこにいますか?」と聞かれて、「私はここですよー!」と返事をするときなどに、「I am.」と言いますが、これは「存在」のニュアンスがあるのです。