しかし、英語には助詞が存在していません。だから、主語や目的語を示す目標が存在しないのです。

「彼の手を私は握った」という文があったとして、これを助詞を消して「彼 手 私 握った」とすると、「彼が私の手を握った」なのか、「私が彼の手を握った」なのか、わからなくなってしまいませんか?

 みなさん、これが英語の世界です。

 英語の世界では、助詞がないので、このように「誰が何をしたのか」がよくわからない状態になってしまうのです。だからこそ、英語は、「単語の順番」を固定することで、主語や目的語を決めています。

「I hold his hand.」というように、主語の後ろには動詞を置き、その後ろには目的語を置く、というような流れで順番を明確にしているのです。英語が順番を重視するのは、こういう理由なんですよね。

 そしてその順番の大本になるのは、「主語+動詞」という考え方です。

 ちなみに文型があまり理解できていない人のために言うと、主語と動詞は以下のようなものです。

主語:その行為をする主体のこと。私、彼、彼女など
動詞:主語が行う、行動を示す言葉のこと。会う、話す、考えるなど

 英語は、原則的に主語+動詞で始まります。

「誰が」「どうする」という風に考えていくのが英語なのです。どんなに難しい文でも、基本的にこの原則自体は変わりません。

「I」「think」とか、「You」「run」とか、まずは主語である「誰が」が来て、次にその人が「どうする」を考えていく、というのが英語のリズムなのです。

5文型=英文の意味がわかる魔法

 ここからは、多くの人が知らないような話をします。

 実は5文型のうち、「第3文型(S V O)」以外の4つの文型は、文型がわかったら、大まかなVの意味が推定可能なのです。

 Vの動詞がわからなかったとしても、文型さえわかれば訳すことができるのです。