繰り返し「パクられた」と主張
「スタジオ一帯をつぶすしかないと思った」

 同6日の第2回公判では、被告が取り押さえられた時の音声を再生。警察官の「なんでやった」の問いに「パクられた。小説」と絶叫する声が響いた。さらに「おまえらがパクりまくったからだよ」「全部知ってるんだろ」などと繰り返し叫んでいた。

 同7日の第3回公判では被告人質問が始まり、父親から虐待を受けていた事実や、京アニ作品に触れるきっかけが定時制高校当時の友人に紹介されたゲームだったことなどを説明した。

 同11日の第4回公判も被告人質問が続き、インターネット掲示板で憧れていた「女性監督からアドバイスをもらった」と語った。「恋愛感情があった」とし、監督に小説を託すつもりで応募したという。盗用されたと主張するのは「けいおん!」で、登場人物の「私、留年したよ」というセリフ。応募した小説に「このままだと留年だ」という記述があったと主張した。

 また約15年前のリーマン・ショック当時、故・与謝野馨経済財政担当相にメールを送信し、財政破綻回避に影響力を持ったため「世界中に人脈を持つ『闇の人物』『ナンバー2』の指示で、警察の公安に尾行されるようになった」との自説を展開した。

 同13日の第5回公判では、事件1カ月前にさいたま市の大宮駅で無差別殺傷事件を計画したが、その理由について「何か大きなことをしないと(被告の)アイデアをパクることをやめないから」と説明。ネット掲示板に「(京アニ作品の)ツルネでもパクってやがる」などと投稿した事実を認めた。

 同14日の第6回公判では、事件直前に「実行するかどうか考えた」「良心の呵責(かしゃく)はあった」と明らかにしたが、「パクることをやめさせるにはスタジオ一帯をつぶすしかないと思った」と述べた。