ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。そういった中で「世界の国々をざっと理解できる」「聞いたことない国でもイメージできる」と支持されている本がある。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。
本書は世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。ここでは、本書から一部を抜粋して世界の国を紹介する。
ミクロネシア連邦はどんな国?
ミクロネシア連邦は太平洋西部に位置する島国です。
赤道のすぐ上の広大な海域に600以上の島々があり、言語や文化、習慣が異なる4つの州――西からヤップ島を中としたヤップ州、チューク諸島から成るチューク州、首都のあるポンペイ島を含むポンペイ州、そしてコスラエ州――で構成されます。
西側にはパラオ共和国、東側にはマーシャル諸島共和国、北側にはグアムがあります。
島によって特有の言語があり、公用語は英語ですが、ヤップ語、ポンペイ語など主な8つの民族言語が使われています。
議員はそれぞれの州の人口比により割り当てられ、厳密な規則はありませんが、大統領は習慣的に州の輪番制で選出されます。
アメリカとの関係が強い、貨幣経済と自給自足が混在
ヤップ州では儀礼的な意味で石貨が流通し、石貨を多く持つことは信頼が厚いことにもなります。
ヤップ州から他の州へは直行の航空便がなく、グアムを経由して、つまり一度国外を経由して他の州へ行くことになります。
4つの州の中で人口が最も多いチューク州(旧名はトラック州)は太平洋戦争の激戦地であり、今でも戦艦などが海底に沈み、日本軍の作った防空壕が校庭に残されている学校もあります。
ポンペイ州は世界有数の多雨地域です。コスラエ州は一つの島だけで構成されます。
この国の主産業は農漁業と観光業で、貨幣経済と伝統的な自給自足経済が混在しています。
アメリカとの関係が強く、自由連合盟約を結び財政支援を受けるほか、国防などの権限をアメリカに委ねています。
ミクロネシア連邦
面積:702km2
首都:パリキール
人口:9.96万人
通貨:米ドル
言語:英語(公用語)、8つの民族言語
宗教:カトリック54.7%、プロテスタント41.1%
(注)CIAのThe World Factbook(2024年6月時点)、『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)