日本株のバブル後最高値のけん引役は半導体だ。「生成AI(人工知能)」ブームによる需要爆発を受けて、世界中の半導体メーカーが急ピッチで増産にかじを切る中、日本の半導体製造装置・材料メーカーにも強い追い風が吹いている。半導体復活の最後のチャンスとみた国も動き、空前の規模の巨額補助金で「技術に強み」を持つ企業の支援に乗り出した。特集『半導体 投資列島』では1月29日(月)から2月6日(火)までの全9回にわたり、2024年の日本株市場で注目を集めそうな最強技術を持つ“お宝企業”を、業界屈指の目利きが厳選して紹介する。(ダイヤモンド編集部)
#1 1月29日(月)配信
TSMC・ラピダス・ソニー…半導体「異次元投資」の全貌、日本が“シリコン列島”化する!【71社・96計画】
不況から立ち直った半導体市場は2024年に史上最高の売上高を見込む。空前の活況を見越して日本の半導体関連メーカーは設備投資を加速。国の巨額補助金も追い風になり日本列島各地で工場の新設ラッシュが始まっている。株式市場の評価にも直結する、半導体の設備投資【71社・96計画】の全貌を明らかにする。
#2 1月30日(火)配信
ローム、旭ダイヤモンド、オキサイド…「パワー半導体」次世代市場で逆襲期待の最強技術企業【15社】
脱炭素時代に“省エネの切り札”として需要が激増しているパワー半導体。今のところ世界シェアでは欧米勢が上位を占めるが、次世代パワー半導体といわれる「SiC(炭化ケイ素)」や「GaN(窒化ガリウム)」の新技術では日本勢も負けてはいない。シェア奪還の潜在力を持つ日本企業はどこか。
#3 1月31日(水)配信
ディスコ、TOWA、イビデン…半導体高性能化の新常識「チップレット」で引っ張りだこの最強技術企業【11社】
これまで半導体の性能を向上させてきた“微細化”の難易度が大きく上がった現在、新たな高性能化の方法として注目度が高まっているのが、出来上がったチップやメモリーを組み立てる「後工程」での新手法だ。中でも歩留まり向上と低コストを実現する「チップレット」化に欠かせない技術を提供するのが日本企業だ。
#4 2月1日(木)配信
信越化学、フジミインコ、メック…半導体の「素材」で世界シェア上位に君臨する最強技術企業【15社】
シリコンウエハー、その研磨剤、回路形成に必須のフォトマスク……半導体の製造に必須の重要素材で高い世界シェアを持つのが日本企業だ。日本勢でトップシェアの製品、ニッチだが1社でシェア100%の製品を持つ企業も多数ある。これらの企業は半導体市況の活況を受けて受注が急増しそうだ。
#5 2月2日(金)配信
村田製作所、マブチモーター、日本電波工業…半導体立国に必須な「電子部品」で世界に負けない最強技術企業【8社】
“最強の半導体立国”をつくるために必要な条件。それは「電子部品」産業に“厚み”があることだ。その点で日本は、“あらゆる電子部品・部材を製造している国”の一つであり、半導体復活の潜在力は十分ある。中でも世界屈指の競争力を持ち、中長期で強さを維持する企業を紹介する。
#6 2月3日(土)配信
東京エレクトロン・アドバンテスト…「生成AI」で爆売れのNVIDIA製GPUを支える、世界と日本の最強技術企業【8社】
半導体活況の起爆剤となったのが「生成AI」ブームだ。中でも生成AIのサービス化や開発に欠かせない高性能「GPU」を供給して急成長したのが米半導体メーカーのエヌビディア。同社は2024年に米インテルを抜き業界トップに立つ可能性が高い。その躍進の背景にはGPUを大量購入する米巨大テック企業のほか、GPUに必須の技術を供給する企業の存在があり、日本の製造装置メーカーも貢献している。
#7 2月4日(日)配信
TSMC、インテルも注目!半導体業界待望「次世代EUV」に不可欠な日本の最強技術企業【3社】
半導体の性能を高めてきた回路の“微細化”は一時、限界もささやかれていたが、近年、現行の技術の壁を打ち破る道が開けてきた。微細化に欠かせない製造技術「極端紫外線(EUV)露光」が一段と進化しようとしているのだ。これに必須の装置や素材を供給する日本のメーカーも脚光を浴びている。
#8 2月5日(月)配信
「半導体不況でも自信あった」レーザーテック社長が明かす検査装置で“世界唯一”の最強技術の秘密
日本の株式市場で評価の高い企業の一つが半導体の検査装置を手掛けるレーザーテックだ。2023年末から24年初にかけて上場来高値の更新が続く同社の強みは、最先端の半導体製造技術「EUV(極端紫外線)」向けの検査装置で世界市場を独占していることだ。他の装置メーカーの追随を許さない技術力の源泉を岡林理社長が明かす。
#9 2月6日(火)配信
ラピダスを「MRJの二の舞にしない」ために必要なものは?東大教授が語るラピダス成功の条件と最大の懸念
“日本の半導体復活”の期待を背負って船出した半導体受託製造のラピダス。その将来に厳しい見方がある中で、「強力な武器もある」と説く国際政治学者の鈴木一人・東京大学公共政策大学院教授が、同社の成功に必要な条件と、計画が凍結された国産旅客ジェット機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の轍を踏みかねない“リスク”の正体を語った。
Key Visual by Noriyo Shinoda