年齢層やライフステージにより
学ぶべきものは変わってくる

 ひと口に「学ぶ」といっても、20代、30代、40代で、学ぶべきものは異なってきます。世代ごとに次の内容を学ぶとよいでしょう。

(1)20代……自分の専門分野のベースとなる知識を身につける
 自分の専門分野の知識とスキルを学びます。知識やスキルをもって働くことで社会的役割を果たせます。

 たとえば、歯科医師なのに歯科の知識やスキルがなければ、患者さんは集まらず、治療どころではありません。歯科医師としての役割を果たせません。どんな職業でも同じです。必要な知識、スキルを着実に身につけていきましょう。

(2)30代……専門以外の足りない知識を学ぶ
 30代になると、専門の知識やスキルだけでは足りません。専門以外で必要だと思う力を養う時期です。仕事の分野によって補う力は異なります。

 私の場合は、歯科医院を開業していましたので、マーケティングやマネジメント力の必要性を感じ、学び始めました。自己点検して必要だと思う力を、本や動画からどんどん学びましょう。

(3)40代以降……後半人生に必要な知識を学ぶ
 40代は人生の折り返しです。人生を振り返って、仕事、人との関わり、経済面などで足りないと思うところを見つけて、後半人生を豊かにするための行動、学びをすることが大切です。

書影『一流の人間力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『一流の人間力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
井上裕之 著

 50代になると、親の介護が必要になるケースも増えてきます。40代のうちから、リタイア後の自分の生活について、住まい、経済面、仕事についてどうするかを考えたうえで必要な学びをします。

 そして最後に、どの世代の人にも学んでほしいのが、やはり「人間力」です。人間力は業種や職種が変わっても必要とされます。いわば、ポータブルスキル(持ち出し可能な能力)といってもいいでしょう。

 私が日常生活で人間力が高いと感じる人は「明るい」「人柄がいい」「素直」「信頼感がある」人です。明るくて人柄がよいと人に好かれます。信頼され、応援してもらいやすくなります。

 素直さがあって、周囲からの応援もあれば、どんどん成長していけます。そこに成功する思考が加われば、成長のスピードも速まります。