非公然アジトでの押収物から
浮き彫りになった危険な活動実態

 これまで解説したように、非公然活動家は目立たず、我々の日常生活に溶け込んでいる。

 だが、1998年に摘発された革マル派の非公然アジトでは、偽造した警察手帳や公安調査官証票、1万4000本にも上る鍵、約400本の印鑑、室内を盗聴して録音したと思われる大量のカセットテープが押収されるなど、極めて危険な活動の実態も浮き彫りになっている。

 現在では、極左暴力集団は高齢化が進み、その活動は停滞しているが、新たなメンバーの獲得に向け未だに活動している。

 桐島聡容疑者の逃走の日々は、決して豊かではなく、目立たないよう質素な暮らしを送っていたと推察される。今後の実態解明では、身分偽装の実態や支援者の有無について注目される。特に逃亡生活中におけるゲリラなどの危険な活動実態の有無、接触者の有無は極めて重要だ。

 最後に、東アジア反日武装戦線を巡っては、連続企業爆破事件に深く関与し、現在も国際手配中の大道寺あや子と佐々木規夫両容疑者の存在を忘れてはならない。

 いま一度、逃亡犯の検挙のために、手配事項を一読していただければ幸いである。